BlueSeaのスーツケースをレビュー!評判のスーツケースをプロが検証

BlueSea BSSC02 レビュー
「BlueSea」は革製品を主に製造する日本のメーカー。
2024年に新事業としてスーツケースを開発。
「日本製」を売りにしています。
数種類あり、自分が購入したのは「品番:BSSC02」型。
Sサイズでカラーは「ブラック」です。
プロとして完璧にレビューしたい。
<これ>

・当サイト代表のスーツケースガチ勢
1、外装箱レビュー
BlueSeaのエンブレムなロゴが目立つ。
日本製=日本からの輸送なので汚れは少なくなる。
大きな変形はありますが、綺麗で気持ちが良い。
2、包装レビュー
保護は上面に梱包用のミラーマットが1枚あるのみ。
これではカッター傷は防止できないので開ける時は注意。
本体はビニール袋のみと最低限。
本体のハンドル部はビニールで保護。
ハサミで切って外します。
3、外観レビュー
上面の角が落とされている形状が特徴的。
キャスター取り外しの赤いボタンがちょっとダサい…。
ラインが美しいヨーロピアンなデザイン。
カーボンブラック系なので控え目な黒。
そして光沢のある表面仕上げなので明るい雰囲気です。
上部の角を落としたデザインはあまり無く、個性的で良い。
正面のエンブレムも良い雰囲気ですが、斜めに取り付けられているのは最悪。
ロゴはしっかり付けないと会社としてダメだろう。
キャスターの赤い取り外しボタンがどうしても目立つ。
これによりかなり安っぽい印象になっています。
個人的には黒色にした方がいいと思う。
全体的な形状は機内持ち込みサイズとしては普通。
奥行約24cmの少し太めな形状です。
仕上げはかなり悪い。
仕上げの悪さ説明・保護フィルム残り
サイドハンドルが保護フィルムの上から取り付けられている。
どうやらBlueSeaは本体保護フィルムを張り付けたまま組み立てるようです。
ハンドル等を取り付けてから保護フィルムを剥がしている。
が、完全に剥がしきれずにそのまま。ありえない。
キャリーハンドル部も保護フィルム残り有り。
キャスター部にもある。
保護フィルム付けたままの組み立ては良くないと思う。
ちゃんと剥がしきれたらバレないですが、ちゃんとやる気が無い。
かなり雑でいい加減な組み立て・管理です。
組み立ての悪さ説明・部品の浮き
キャスター部が綺麗に組み立てられておらず浮いている。
使用においては問題はありませんが、
汚れが溜まったりと良くは無い。
4つ共に浮いていました。
接着剥がれ
ファスナー部の接着が剥がれている。
ここは接着しなくても良い部分と思いますが、
浮くのを防ぐために接着しているのだろう。
しかし、それが剥がれて浮いていて最悪。
部品の処理の悪さ
トップ・サイドハンドルのゲート処理が悪い。
これは部品メーカーの問題だと思いますが、
ゲートの仕上げが悪く目立つ。
他社でこんな悪いのはそうそうありません。
--
とにかく仕上げが悪い。
保護フィルムの残りは作りのいい加減さを感じる。
ここは擁護できない部分です。
部品の浮きや接着剥がれは経験の無さ。
ゲート処理は品質管理の甘さ。
BlueSeaは全体的にスーツケース製造技術の無さを感じます。
ロゴも傾いているし、とにかくひどい。
よくこれで日本製をアピールしているなと思う。
寸法測定結果
高さ (cm) |
横 (cm) |
奥行 (cm) |
3辺 の和 |
|
表記 | 53 | 36 | 24 | 113 |
実測値 | 55.5 | 37.4 | 24.5 | 117.4 |
3辺の和が117.4cmで機内持ち込み不可
寸法もでたらめだった。
おそらく、ハンドルの高さを入れていない。
機内持ち込みの荷物は全ての出っ張りを含めて測ります。
いろいろと悪すぎる。
これはひどいとしか言いようが無い。
※他の不良も含めた結果、返金対応となりました
4、TSAロックの操作感
ダイヤル式のTSAロック。型は不明。
普通なダイヤル式です。
スライダーを差し込んでのロック・上のレバー下げて解除。
操作性は問題無い。
気になるのはTSAロックの型番の記載が無いこと。
型番が不明だとどのマスターキーを使っていいかわからないはず。
普通は記載あり、無いのは初めて見ました。
007か008だとは思います。
ファスナーは2重になっているセキュリティファスナー。
2重でこじ開けにくいファスナーです。
この価格帯での搭載は少ないので良い。
難点は2重なので動きが重たくなること。
5、キャリーハンドルの操作感
キャリーハンドルは3段階調節。
ぐらつき(遊び)は大きくて悪い。
ボタンを間違って押してしまい誤作動しやすい。
高さ調節は一般的な3段階。
操作性はスムーズで問題無い。
ぐらつき(遊び)は大きめでぐらぐらです。
ここまで大きいのは安物でも少なく最悪クラス。
調節ボタンはかなり誤作動しやすく危険。
でっぺんの角にまでボタンがあるので、少しでも握ると作動します。
誤作動無しで動かすのは至難の業と言えるほどに。
個人的に最悪のキャリーハンドルです。
6、トップハンドルの持ち心地
トップハンドルはあまり膨らまず指が本体に当たる。
膨らみは小さめ。
指先で持つ分には問題ありませんが、握って持つと指が本体に当たってしまう。
悪いとは言えませんが、個人的には嫌いな仕様です。
素材は樹脂の板でクッションは無し。
普通な持ち心地。
サイドハンドルも同じ仕様です。
7、キャスターの操作性・静音性
取り外し可能なキャスター。静音性はとても良い!
口径も約57mmと大きい。
厚みのあるタイヤで静音性は抜群。
「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」と同等の静音性です。
口径も57mmと大きく、取り外し・交換も可能という優れもの。
静音性は下の動画を見て下さい。
<BlueSea キャスター静音性確認動画>
<比較用(うるさい安物キャスター)>
安物キャスターと比べると圧倒的な静音性。
もうこんなうるさいスーツケースは使えなくなります。
<HINOMOTO Lisof SILENT RUNとの比較>
「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」より若干劣るかな?という程度。
BlueSeaのキャスターは素晴らしい。
赤いボタンを押して引っ張るとキャスターが外れます。
とても簡単でノーストレス。
グリスが付いているので注意。
8、荷物をかけるフック
上側の底鋲が荷物をかけるフックにもなっている。
よくある底鋲有効活用。
かかりは浅いのでレジ袋などしかかけられません。
Sサイズのスーツケースだと高さも無いので、Sサイズの袋まで。
普通な仕様で問題は無い。
9、容量拡張機能
本体中央にあるファスナーが容量拡張用です。
が、ここから動かない不良品だった。
まだ不良があるのか…と完全に嫌になった。
思い切り強く引っ張ると動きましたが、直らない。
見た感じは原因不明、というより突き止める気力が無く。
一周グルっとファスナーを開けた状態。
広がった分奥行が増える仕組みです。
拡張部の生地は厚くて丈夫。
拡張部としては一般的な素材です。
拡張時の外観はこんな感じ。
拡張部だけマットブラックなので少し見た目は悪い。
拡張幅は約2cmとかなり小さい
商品ページ記載通りで問題は無い。
一般的には3cm~5cmです。
BlueSeaが2cmにする意味がわからない。
容量拡張機能としては悪いです。
10、内装をレビュー
一般的な片面仕切り仕様。
さらさらとした生地が気持ち良い。
見た目は安物中国メーカー製の内装に似ていますが、
生地やバンドの質が全然違って良いです。
写真で詳しく説明していきます。
薄いブルーな生地。
生地がさらさらすぎて、たるみが大きいのは気になる。
容量拡張は左側です。
右側はXバンド。
生地がぶかぶか。
さらさらして触り心地が良いです。
普通なバックル。
バンドもさらさらした素材で高級感があって良い。
BlueSeaはこのあたりのこだわりはある。
中は何も無い。
生地の質感が良い。
バンドは直接縫って固定。この価格帯では普通。
縫製はかなり粗目。間隔がとても大きい。
左側は仕切り。
上がビニールの防水ポケットで、下がメッシュポケット。
おしゃれな引手。
メッシュは目が細いタイプ。
安物中国メーカー製でよくある。
ビニールポケットは汚れがあって最悪。
こういう気持ち悪い汚れは嫌いです。
安物中国メーカー品でもこんな汚れ見たことが無い。
油汚れだと思う。
両方開けるとこんな感じ。
仕切りの中は何も無い。
こちらも生地のたるみは大きい。
手前の生地は容量拡張部です。
拡張すると広がります。
容量拡張状態。
この広がった分容量が増える。
合わせ面のカバー上部です。
縫製がほんと粗い。
右側は縫い&マジックテープ固定。
接着が耐え切れず剥がれた。
合わせ面カバー下部。
--
内装のレビューは以上です。
生地の質感が良いのは高評価。
薄くてさらさらですが自分は好きです。
ぶかぶかなので高級感は無い。
縫製の粗さは気になる点。
生地やバンドの固定強度は心配です。
生地は良いですが、全体的には安物感がある。
1万円以下のスーツケースらしい内装です。
11、内部をレビュー
メンテナンスファスナーを開けた状態。
白いミラーマットが見える。
梱包用のミラーマットです。
生地が薄いのでこれをクッションにしているのだろう。
スーツケースとしては時々採用されている手法。
上の黒いバーがトップハンドル固定部です。
面積が大きい補強材で問題無し。
キャリーハンドルの固定部です。
固定・補強材は無く本体に直接ねじ止めと安物仕様。
数千円のスーツケースなら普通。1万円以上なら悪い。
この加工、いつもの中国メーカー品だろう。
BlueSeaは中国からパーツを取り寄せて日本で組み立てているのだと思う。
下側。キャリーバーとキャスターの固定部。
キャリーバー部がまさかのねじ無し。
ここをねじ止めしないスーツケースは見たことが無い。
ねじ忘れか?それともこういう設計なのか。
キャスター固定部は補強材無く、本体に直接ビス止め。
本体成型での補強も特に無く、安物仕様です。
--
内部レビューは以上です。
5000円前後のスーツケースの内部仕様と変わらない。
よくある安物中国メーカー品とほぼ同じ。
強度はそう良くないと思います。
キャリーバー根本にねじ固定が無いのはとても気になる。
どちらにせよ、良くない仕様です。
12、実際に荷物を詰めてみた結果
本体が大きいのでたくさん入る(3辺の和117cm)
200匁のフェイスタオルをほぼ限界まで入れてみた結果、60枚入りました。
機内持ち込みサイズは小さなものは50枚、大きなものは60枚入るので、60枚は最高レベル。
本体サイズが機内持ち込みサイズを超えているのが理由。
まだこの時は本体寸法を測定していなかったのですが、
詰めていて大きすぎることに気づいた。
フェイスタオルを入れて横も縦も深さも余裕があるのはありえない。
普通はどれかが犠牲になります。
航空機利用をしない場合には大きいのは良い点。
ただ、容量拡張が2cmしかないのでやはりいまいち。
13、実際に転がして使ってみた感想
キャスターが静かなところだけは良い。
キャリーハンドルがとにかく悪い。
静音性はほぼ「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」。
タイルでもアスファルトでも静かで快適。
走行性も問題無い。
キャリーハンドルのぐらつきが大きいので追従が悪い。
ぐらぐらでかなりの安物感があります。
走行性が悪くストレス。
そして、高さ調節ボタンが絶対に誤作動してしまう。
どう気を付けても押してしまう。
今まで使ってきたスーツケースの中で一番誤作動しやすいです。
これは危ない。使ってはいけないと思えるほどに。
トップハンドルも指が当たるのでストレス。
いろいろと使用感が最悪です。
重量は約3.0kgと普通。
機内持ち込みサイズとしては普通な重量です。
重たくも軽くも無い。
--
キャリーハンドルが本当に悪い。
自分の経験上で一番悪い。
強くおすすめできません。
14、BlueSea BSSC02の検証・レビューまとめ
項目 | 評価 | コメント |
容量 | ◎ | 本体サイズが大きいので大容量 |
重量 | 〇 | 約3kgと普通 |
包装 | 〇 | ほぼ最低限。質は良い。 |
キャリーハンドル | × | 誤作動する。ぐらつきが大きい |
トップハンドル | △ | あまり膨らまず指が当たる |
ファスナー | ◎ | セキュリティファスナー |
TSAロック | 〇 | 型不明。問題無し |
キャスター | ◎ | 静音性がとても良い。交換可能 |
内装 | 〇 | 質の良い生地とバンド。 |
仕上げ | × | 管理に難有り。縫製も粗い |
良い点(Good)
- ✔キャスターの静音性がとても良い
- ✔キャスターがワンタッチで取り外し可能
- ✔荷物をかけるフック搭載
- ✔触り心地の良い内装生地
悪い点(Bad)
- ✕3辺の和が約117cmで機内持ち込み不可
- ✕キャリーハンドルの調節ボタンが誤作動しやすい
- ✕キャリーハンドルのぐらつきが大きい
- ✕トップハンドルの膨らみが小さく指が当たる
- ✕組み立てや管理が悪すぎる
今まで購入してきた中で一番ひどいスーツケース。
これはおすすめできない。
キャスターだけは良い。
この静音性で交換可能は優秀です。
全体的に悪い点が多すぎる。
製造不良、管理の悪さ、機内持ち込み不可、
日本製とは?と言いたくなるひどい仕上がりだった。
キャリーハンドルの誤作動は大問題。
自分は誤作動せずに転がすのは不可能です。
慎重に転がしている撮影中にも何度も下がってしまった。
危なすぎる。
さすがにおすすめできない。
BlueSeaはまだスーツケースを作る技術が無いと感じます。
キャスターは良いので期待はできるメーカーです。
今回レビューしたBSSC02は初期のシリーズだから悪かった可能性もある。
そのため「BlueSeaのBSSC02型」はおすすめできないとしておきます。
良さそうな新型が出たらまた買ってみたい。
※返金対応になっています。日本メーカーなのでこの点は安心。