無印良品(MUJI Labo)アルミハードキャリーケース レビュー!評判のスーツケースをプロが検証

無印良品(MUJI Labo)アルミハードキャリーケースをレビュー!
無印良品のスーツケースとしては3代目。
高級ブランドの「MUJI Labo」として登場しました。
スーツケース好きとして気になって仕方ないので、
無印良品週間を待って買ってみた(10%OFF)。
購入したのは34Lサイズ、カラーはシルバー。
プロとして完璧にレビューしたい。

・当サイト代表のスーツケースガチ勢
1、外装箱レビュー
無印良品のデザイン。
しかし「MUJI Labo」だからか絵の色が違い特別感があります。
方向性の指示はわかりやすくて素晴らしい。
これで横向けに置こうなんて誰もが思わないだろう。
ダンボールは2重でかつ厚めで質も良い。
アルミスーツケースでも安心です。
2、包装レビュー
ダンボールの構造は普通ですが、立派な上蓋がある。
スーツケースでここまでしっかり固定するのは珍しい。
四角と底にも固定材あり。
スーツケースの包装としては完璧と思える。
本体は不織布のカバー。
ごく普通なものです。
普通の無印良品のスーツケースはビニール袋なので、
これがMUJI Laboの価値なのだろう。
内装は100点。
不織布のカバーを外した状態です。
上面にタグが3枚と、ハンドルに保護材。
この保護材は珍しい。
ミラーマットのような質感です。
タグの表面。
荷物を詰めると8kgくらいになるので、一部のLCCは機内持ち込み不可です。
JAL・ANAは10kgまでなのでほぼ大丈夫。
ただし、「手荷物合計10kg」なのでバッグの重量には要注意。
というのもあり、アルミ合金は機内持ち込みサイズには不適。
現実的には止めておいた方がいい。
タグ裏面。
中国製。内装はポリエステル。
裏地のクッション材はウレタンだと思う。
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普通の無印良品は茶色の紙なのでMUJI Laboの白いタグは新鮮。
いろいろと差別化を考えています。
3、外観レビュー
無印良品のスーツケースのデザインのままアルミ合金!
一目で無印良品とわかる横縞のデザイン。
アルミニウム合金で感動する。
アルミ本体の質感は他社品と変わらず普通です。
キャスターが真っ黒なのも特徴的。
個人的にはシルバーで統一してほしかったですが、
これはこれで悪くないかなと思ってきた。
アルミ合金製としての構造は普通。
一般的な5000番系のアルミニウム合金の折り曲げ加工品と思う。
デザインが無印良品なだけで、普通なスーツケースです。
形状は横幅37cm、奥行23cmと横に大きい。
寸法測定結果も問題無し。
寸法測定結果
高さ (cm) |
横 (cm) |
奥行 (cm) |
3辺 の和 |
|
表記 | 55 | 37 | 23 | 115 |
実測値 | 54.5 | 37.3 | 23.2 | 115 |
ただし、形状に不良があった。
製造不良の説明
本体上面の中央部が凹んでいる。
この上面の片側が中央部にかけて斜めになっています。
部材の寸法があっていないのに接合したのが原因だろう。
反対側は正常。
平らになっています。
側面から見てもわかりやすい。
中央のフレームにかけて斜めに下がっている。
これによりトップハンドルも傾いています。
左側の固定部は高さ54.5mmですが、右側は54.3mmと2mm小さい。
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凹みくらいならまぁいいかと思ってレビューを続けたのですが、
トップハンドルまで傾いていることに写真編集時に気づき、
さすがになぁと返金申請をしました。返金してくれるかどうかは不明。
その他組み立ての悪いところ
本体接合部もぴったりになっていない。
指が引っかかるので、最悪怪我の恐れがある。
全部こんな感じです。
無印良品はまだ技術力が無く、ただ中国メーカーに依頼しているだけだなと感じる。
Sサイズで7万円と高めですが、作りに高級感は無い。
やはりリモワやゼロハリバートンなどの作りは素晴らしいと再認識。
4、TSAロックの操作感
ダイヤル式のTSAロック。一つ前の「007」型。
上下2個共にロック・解除する必要があります。
フレームタイプでよくある仕様。
ちょっと面倒くさいです。
番号を合わせて右にあるボタンを押せば解除。
簡単に動画にしましたので見てみてください。
<無印良品 アルミスーツケース TSAロック説明動画>
操作性は問題無し。
合わせ面はパッキンがあるので、閉める時の音は小さめ。
気持ち良く閉まってくれます。
5、キャリーハンドルの操作感
キャリーハンドルは3段階調節。
ぐらつき(遊び)は大きめでいまいち。
一般的な3段階調節。
普通の無印良品のスーツケースは自由な位置に調節できるので劣る点です。
ぐらつき(遊び)は大きく、この価格帯にしては最低クラス。
安物スーツケースと変わらないぐらつき感です。
さすがにこれはダメやろうと思う。
あと、調節ボタンが大きく出っ張っているので誤作動しやすい。
そんなところで良い点が無い。
操作感は下の動画を見て下さい。
<無印良品 アルミスーツケース キャリーハンドル説明動画>
カチャカチャと安っぽい音もします。
6、トップハンドル
おそらくアルミのハンドル。
上げると自動で下がります。
樹脂では無く質感の良いアルミなのは良い点。
手にフィットする形状でしっかり持てます。
荷物を入れて重たくなっても手はほぼ痛くならない。
手を離すと自動で下がるのもよくある仕様。
雰囲気は下の動画を見て下さい。
<無印良品 アルミスーツケース トップハンドル説明動画>
やや速めに閉まるので、最後にトン!と音がする。
閉まり方に高級感はありませんが、特に問題は無し。
サイドハンドルも同じ仕様です。
7、キャスターの操作性・静音性
無印良品独自のキャスター。口径は60.2mmと大きい。
静音性は無くうるさい。
普通の無印良品のスーツケースのキャスターとは別物です。
あまり見ないタイプで静音性に期待したのですが、
全く静音性は無いキャスターで最悪だった。
静音性は下の動画を見て下さい。
<無印良品 アルミスーツケース キャスター静音性確認動画>
<比較用(うるさい安物キャスター)>
安物のうるさいキャスターより少しだけ静かに思える程度。
静音性は無いキャスターと言えます。
<普通の無印とHINOMOTO Lisof SILENT RUNとの比較>
普通の無印良品のスーツケースの方が静かです。
日本での主流の静音キャスター「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」と比べるとはるかにうるさい。
無印良品のスーツケースは静音性はいまいちです。
この高級なアルミ合金製で良くなると思いきや悪くなるという始末。
この時点でこのスーツケースはおすすめできない。
キャスターが楽しみで買ったので残念…。
8、内装をレビュー
両面仕切り仕様。
生地はクッション付きの仕様。
アルミ合金製スーツケースは両面仕切り仕様が一般的。
そのため特に良くは無く、逆にシンプルすぎて悪い。
収納性や利便性は最悪です。
生地は普通の無印良品のスーツケースと同じクッション付きのタイプ。
ファスナーも同じもので、要するに安っぽい内装です。
写真で説明していきます。
グレーで無印良品らしいデザイン。
このあたりの統一感はさすがと思う。
右側の仕切りはポケット無し。
ただの目隠しです。
2か所の金具に引っ掛けて固定します。
湾曲していてかけやすい。
固定するのも外すのも簡単。
仕切りの中はXバンド。
普通の無印良品のスーツケースと同じものです。
中央を押して引けば外れます。
中は何も無い。
裏地にクッションを張り付けている生地なので厚い。
シワは少ないですが、下部の見た目はいまいち。
バンドは直接縫って固定といまいち。
内装の仕様は全体的に安っぽい。
タグ拡大。
日本企業らしいクレーム対策。
左側の仕切りはメッシュポケットが2つ。
ファスナーは汎用的な仕様のもの。
メッシュも細めで普通。無印らしい。
ポケットはほとんど開かない。
引っ張ってもこれだけ。
手がここまでしか入らない。
なんて使いにくいポケットなんだと思った(最悪)。
左側も仕様は同じ。
こちら側は内部に何も無いので生地の貼付が綺麗。
タグ拡大。
合わせ面のカバー上部。
両側を縫って固定しています。
全体的に縫製は良い。
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内装のレビューは以上です。
仕切りの仕様が悪い。
右側はただの目隠しなので、個人的には邪魔なだけ。
左側はポケットに手が入らず使い勝手は最悪。
生地やバンドは普通の無印良品のスーツケースと同じなので高級感無し。
もうちょっと7万円のスーツケースらしくしてほしかった。
9、内部をレビュー
メンテナンス用ファスナーを開けて生地の裏地を確認。
クッション素材が貼付されています。
スーツケースで時々採用される手法。
キャリーハンドル部の固定部です。
大きな成型部品で固定してあって良い。
リブもあり形状もぴったり。肉盗みでの軽量化もバッチリ。
普通の無印スーツケースと同じような仕様です。
謎なのがコーナーパッド部のコーティング。
接合部は隙間埋めかなと思うのですが、全部をコーティングしていない謎。
コーナーパッド部の丸いコーティングは何なのだろうか?
自分にはわからなかった。切れ目など特に何も無い。
普通は樹脂の補強材があって、そこにビス止めするのですが、
この無印良品は本体に直接ビス止め。
良くは無い仕様です。
中央がキャリーバーの根本固定部です。
歪んでいるのが気になりますが、固定は問題無し。
厚みがありキャリーバーの形状にもぴったり。
キャスター固定部です。
大きな補強材、そして本体に広くビス止めしていて良い。
アルミ本体なので固定力が大事。
この仕様だと問題無いだろう。
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内部のレビューは以上です。
コーナーパッド部が謎仕様でいまいちに思いましたが、
その他はしっかりとした部材で問題はないはず。
強度は十分と判断します。
10、実際に荷物を詰めてみた結果
容量は普通で悪くない。
商品ページには「容量34L」と記載がありますが、
普通の無印良品のスーツケース(36L)と変わらない容量に感じます。
アルミ本体なので自然と圧縮されるのが良いのかもしれない。
200匁のフェイスタオルをほぼ限界まで入れてみた結果、55枚入りました。
機内持ち込みサイズは小さなものは50枚、大きなものは60枚入るので、55枚は良い方。
無印良品のノーマルタイプも55枚入ったので同じです。
ただ、仕切り固定の金具があるのが邪魔。
金具より上には入れられないのはちょっとストレスです。
11、実際に転がして使ってみた感想
キャスターがうるさすぎる…
昔のどのスーツケースもこんなうるささでしたが、
最近の高級品でこの騒音は珍しい。
ちょっとこれは使えないなぁと、アスファルトを転がして思ってしまう。
それでいてキャリーハンドルもぐらつきが大きく、
調節ボタンも誤作動しやすいという最悪感。
アルミ合金スーツケースは重たいので、
どうしてもキャリーハンドルを強く掴んでしまう=誤作動、と。
この二つで使用感は最悪。転がしてかなりストレスを感じます。
比較的優秀だった無印良品がどうしてこうなった。
トップハンドルは掴みやすく癒し。
荷物を入れて約8kgになった状態でも心地良い。
荷物が空の状態での重量は4.76kgと普通。
商品ページには4.6kgと記載あるので、ちょっと重たくなっている。
アルミ合金スーツケースのSサイズならこんなものです。
中には3kg台のものもありますが、あれは粗悪な作りなので別物。
12、無印良品 アルミハードキャリーケースの検証・レビューまとめ
項目 | 評価 | コメント |
容量 | 〇 | 機内持ち込みサイズとしては普通 |
重量 | × | 実測値4.76kgと重たい。アルミとしては普通 |
包装 | ◎ | 全面に保護材。不織布カバー |
キャリーハンドル | △ | 3段階調節。ぐらつき大きめ。誤作動 |
トップハンドル | 〇 | 持ちやすい形状。自動で下がる。 |
TSAロック | 〇 | ダイヤル式007型が2個。普通 |
キャスター | △ | 口径約60mm。静音性は無い |
内装 | △ | 利便性の無い仕切り |
仕上げ・作り | × | 本体上面が斜めになっている。縫製は良い |
良い点(Good)
- ✔アルミニウム合金でとても丈夫
- ✔持ちやすいトップハンドル
悪い点(Bad)
- ✕アルミニウム合金なのでとても重たい
- ✕本体上面の傾き(製造不良)
- ✕本体接合部が綺麗ではない
- ✕キャリーハンドルのぐらつきが大きい
- ✕キャリーハンドルの調節ボタンが誤作動しやすい
- ✕キャスターの静音性が無くうるさい
- ✕内装のポケットが少ない&使いにくい
- ✕約2万円の無印スーツケースと内装生地等が同じ
個人的に7万円の価値は無いよう思える。
無印良品が本当に好きな人だけ買いたいスーツケース。
無印なデザイン以外、良さがほとんど無い。
7万円ですがアルミ合金製スーツケースとしては安く思える作り。
コスパ抜群ではなく、どちらかというと割高です。
キャスターがうるさいのが一番の最悪。
せめて普通の無印スーツケースくらいの静音性にしてほしかった。
何を考えてこんなうるさいキャスターにしたのだろうか。
キャリーハンドルもぐらぐらでボタンも出っ張りすぎ。
これはアルミ合金製には使ってはいけないと思う。
内装も利便性が無い。
そんなところで、MUJI Labo初のスーツケースは最悪だった。
今期一番のお金の無駄遣いと感じたほどに。
無印良品ファン以外には全くおすすめできません。