スイスミリタリー AVENTURA（アベンチュラ） レビュー！評判のスーツケースをプロが検証

「SWISS MILITARY AVENTURA」をレビュー！

2025年7月9日発売の新商品。
現在のスイスミリタリーで初めてのフロントポケットタイプです。
前から何か一つ欲しかったので買ってみた。

購入したのはSサイズで、カラーは「シルバー」。
プロとして完璧にレビューしたい。

＜これ＞

SWISS MILITARY AVENTURAを楽天市場で見る

Reviewer：パルどう＠Expert
・当サイト代表のスーツケースガチ勢

＜関連＞

・SWISS MILITARYのスーツケースの話（比較・良い点・悪い点など）

１、外装箱レビュー

正面・背面がスイスミリタリーロゴでかっこいい。
側面は日本メーカーらしい表記。

ダンボールは2重の厚めのタイプで丈夫。
ほぼ変形も汚れも無くとても良い状態だった。

２、包装レビュー

ダンボールは普通な構造。
カッター傷防止の上蓋と、発泡スチロールの固定材が上下にあって良い。

本体はスイスミリタリーデザインのビニール袋。
付属の本体カバーは中にあります（後で紹介）。

ビニールカバーを外した状態です。
トップハンドル部にタグ、キャリーハンドル部に保護カバーがある。

タグは3枚。それぞれの表面。

裏面。
特に面白いことは書いていない。

３、外観レビュー

一目でスイスミリタリーとわかるデザイン。
各パーツもかっこいい。

正面に大きなロゴ、スイス国旗なファスナーの引手など、
スイスミリタリーらしいデザインでなかなかに良い。
シンプルながら個性的です。

カラーは濃い目のマットシルバー。
暗いところで見るとやや青っぽく見えることもある。
意外ありそうで無いスーツケースカラーです。

安物感は無く、デザイン性はとても良い。
スイスミリタリーはデザインで選ぶスーツケースとも言えるので、
これが気に入った人は買いでいい。

形状はやや横長。
フロントポケットの容量重視な形状です。

寸法測定結果

3辺の和が115.9cmと機内持ち込み不可能（115cm制限）。
※個体差でたまたま大きいものが届いた可能性はあります。

実測値は横幅と奥行がかなり大きかった。
身長測定のようにして測っているので、誤差は1mmも無い。
ちゃんとハンドルも押し込んで膨らみ等無いことは確認済。

この価格帯でここまでのオーバーは珍しい。
個体差かもしれませんが、機内持ち込み前提の方は注意してください。
実際には測定されずほぼスルーされると思いますが、厳密にはNG。

４、ファスナー＆TSAロックの操作感

TSAロックはダイヤル式。最新の「008」型。

TSAロックはごく普通なダイヤル仕様。
「TSA008」と書かれている部分を左右に動かすと解除できます。
ロックもファスナーの引手を差し込むだけ。

操作感は問題無く、ストレス無くロック・解除できる。
ファスナーの動きもスムーズで軽く問題無し。

５、キャリーハンドルの操作感

↑最大に伸ばした状態

↑最小状態

キャリーハンドルは3段階調節。
ぐらつき（遊び）は小さくて良い。

キャリーハンドルは一般的な3段階調節。
調節方法はボタンを押して上げ下げするいつも通り。
動きはスムーズで誤作動も無く問題無い。

ぐらつき（遊び）は小さめでとても良い。
持ち手部は全体がPVC?で覆っているためグリップ感が良く、握り心地が最高に良い。
スイスミリタリー共通の仕様で、個人的に一番気に入っています。

中央部は細くなっているので、手の小さい子供や女性でも持ちやすい。
万人におすすめできるキャリーハンドルです。

６、トップハンドルの持ち心地

トップハンドルは大きく膨れて持ちやすい。

クッションは無いシンプルな樹脂ハンドル。
初期状態で本体との隙間が大きいので、指を入れやすくて良い。
さっと持てます。

やや細目で自分の手には合わず、ちょっと指が痛くなるのは残念な点。
持ち心地は良くは無いです。本当に普通なハンドル。

サイドハンドルも同じ仕様です。

７、キャスターの操作性・静音性

スイスミリタリー独自のキャスター。
静音性はいまいち。カラカラとうるさめ。

公式HP等でよく自慢している独自のキャスター。
しかし静音性は劣り、カラカラと安っぽい音がうるさめです。
音圧は低めですが、安物感ある騒音で心地悪い。

口径は49.5mmとやや小さめ。
一般的に50mm～55mmです。
小さいと段差に弱いので良くは無い。

ストッパーも付いていますが、それは後で解説。

＜スイスミリタリー AVENTURA静音性確認動画＞

＜比較用（HINOMOTO Lisof SILENT RUN）＞

日本の代表的な静音キャスター「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」と比べると、とてもうるさい。

＜比較用（うるさい安物キャスター）＞

粗悪な安物キャスターと比べると静かです。
そのため十分使えるレベルではある。

－－

スイスミリタリーのキャスターは静音性はいまいち。
静音性を重視するならば買うのを止めておこう。

８、キャスターストッパー

↑解除状態

↑ロック状態

足で踏むタイプのキャスターストッパーを搭載。

前輪のみストッパー機能が付いています。
足で踏むタイプで、ボタンを下げればロック。押すと上がって解除。
スイスミリタリー独自の設計で、この仕様は初めて見ました。

操作性は問題無いのですが、ON・OFFが見た目でほぼわからないのが悪い点。
ちゃんと押せたのか？と不安になる。
上から見るとロック状態はほぼわかりません。

ロック仕様もあまり良くなく、ピンが下がってロックする仕様。

ボタンを押すと銀色のピンが下がって、ホイールの凸に引っかかってロックします。
この仕様なのでホイールの凸間は動く。
これもあり、ロックされているのかよくわからない。

また、本体を横置きするとボタンを押してしまって勝手にロックされることがある。
何かといまいちなキャスターストッパーです。
安物によくある上下レバー式の方がマシに思える。

９、USBポートをレビュー

Type-AとCのUSBポートを搭載

USBポートはTSAロック部にあります。
本体内部までケーブルが繋がっていて、
そこにモバイルバッテリーを繋げて使います。

まさかのメンテナンスファスナーからケーブルが出ている…

なんて雑な仕様なんだとガッカリ。
効率は良いですが、他社は生地に穴を開けて出しています。
ここから上にあるモバイルバッテリー用のポケットに通して使います。

こちら側はType-Aのみ。
最近は両方ともType-Cがあるものが多いので、現在ではいまいちな仕様。

１０、荷物をかけるフック

上段の底鋲が荷物をかけるフックにもなっている。

よくある兼用仕様です。有効活用的な。
かかりは浅いのでレジ袋程度しかかけられない。
また、高さも低いのでSサイズのレジ袋用です。

特に問題は無い。

１１、内装をレビュー

両面仕切り仕様。
Xバンドは無し。

最近のスイスミリタリーの共通仕様な内装です。
右側の上下から抑える仕切りが特徴的。
しっかり押さえられるので、なかなかに使いやすい。

生地はごく普通な質感。悪くはない。
シルバーで統一されていて見た目はとても綺麗です。

写真で説明していきます。

これぞスイスミリタリーな内装。
コロリスやシグナスなどと同じです。

右側は上下から押さえる仕切り。
ポケットも2個ある。
バンドで押さえ具合を調節できます。

ファスナーの引手はスイスミリタリーのロゴ入り。
メッシュは細目で中が良く見えるタイプ。

バックルにもロゴ。
仕様はごく普通。

ポケットを開けた状態。
ポケットティッシュ程度が入る深さです。

仕切りを開けた状態。
中は何も無い。

生地は普通なポリエステル。
質感は悪くない。

左側は全面仕切り。
大きなメッシュポケットが一つ。

ファスナー等の仕様は右側と同じ。

ロゴがかっこいい。
赤色のアクセントがデザイン的にも素敵です。

ポケットの開き具合はこんな感じ。
書類などを入れるのに向いています。

仕切りを開けた状態。

これはモバイルバッテリーを入れるポケットです。
別に何を入れても良い。

仕切り裏側にあるタグ。

合わせ面のカバー上部です。
縫製の雑さが気になる…

カバー一左側はマジックテープで外すことができます。
メンテナンス用なので基本的に外すことはない。

縫製が雑やなぁ…。
この価格帯にしては悪いです。

－－

内装のレビューは以上です。

Xバンドが無いので普通とは違った使用感になりますが、
上下の仕切りで押さえる仕様は悪くない。
しっかり詰め込むことができます。

ポケットも多くて良い。
フロントポケット仕様でこの多さは優秀です。

悪いのはやはり縫製。とても雑で下手。
定価約4万円のスーツケースとは思えないレベル。
高級品でこれはガッカリする。原価は安そう。

あと、臭いがちょっときつい。
新品の臭いというか、薬品の臭いというか。
服に移ってしまうので、最初は開けて放置してください。

１２、フロントポケットをレビュー

大きなフロントポケット。
ポケットも多く収納性も良い。

開き具合も大きい。
ここまで開くスーツケースはあまり無い。

特徴的なのが、PC用のクッションポケット。
粒々のクッションが珍しい。
仕切り自体も硬めでしっかりしていて良いです。

固定バンドはマジックテープ。
仕切りだけでなく、手前側もそれぞれクッション性があります。
奥にPC、手前にタブレットと入れることができる。

奥まで粒々クッションがびっしり。

パネル側はポケットが3つ。
上の二つはクッション性があります。

下側のメッシュポケットはゴムバンド仕様。
入れやすくて使いやすい。

カバー付きの11インチのiPadProを縦向けに入れた図です。
さすがに余裕で入る。

横向けにも入りますが、取り出しにくいので止めた方がいい。

タブレットは手前のポケットがちょうどいい感じに入る。

13インチのノートPC（DELLのXPS13）を入れた図です。
ちょうど良い感じに入りました。

15インチのノートPCサイズの木板を入れた図です。
横幅ギリギリで入りました。
15インチまで対応と考えていいだろう。

16インチのノートPCサイズの木板はクッションポケットには入らず。
手前の空間には余裕で入りました。
ただ入れるだけなら16インチも問題無い。

A4クリアファイルと雑誌をクッションポケットに入れた図です。
余裕で入る。

ただ、入れるなら手前の空間でいいだろう。
薄めのファイルケースも余裕で入る。

－－

フロントポケットのレビューは以上です。

フロントポケットがとにかく大きい。
スイスミリタリー AVENTURAは最高クラスの大きさです。
それでいてポケットも多く、クッションも豪華で素晴らしい。

特に悪い点は無いですが、あるとすれば本体内部に繋がらないこと。
最近は仕切りを開けて本体内部にアクセスできる仕様が多くなっていますが、
これは不可能です。

１３、付属のタグと本体カバー

ネームタグと本体カバーが付属。

本体内に付属（おまけ）のネームタグと本体カバーがありました。
専用となるカバーは特に嬉しい。

フェイクレザーのネームタグ。
トップハンドルかキャリーハンドルに装着します。

本体カバー。
薄めのポリエステル製です。
防水性は無く、傷・汚れ防止用途。

装着するとこんな感じ。
スイスミリタリーのロゴが良い感じ。

底側はマジックテープで固定する仕様です。

ハンドル部は穴が開いています。
専用品は位置がピッタリなので良い。
他社通販品だとこうはいきません。

キャスターはやや露出しています。
そこだけ傷は防げない。

－－

薄くペラペラなので安物感はある。
しょせんはおまけやなぁという感想。
十分使えるので嬉しいのは嬉しい。

１４、内部をレビュー

トップハンドル部とキャリーハンドルの固定部です。
黒いテープはねじ部の保護シート。

上の黒いバーがトップハンドル固定部。
大きく厚い補強材で良い仕様。
全体に応力が加わり強度が良くなる。

下がキャリーハンドル部の固定・補強材。
全体的に小さめですが、厚めでかつ本体形状ピッタリで悪くない。
ビス固定部もしっかりしています。

キャリーバーの固定部です。
かなりの軽量仕様ですが、重要な部分はしっかりとリブが有り良い。

キャリーバーのねじ固定も問題無し。
形状もぴったりで良し。

キャスター固定部です（テープは剥がしています）。

黒いのは補強材で、本体形状に合わせて作られており良い。
4点固定と少ないですが、一つは横で固定してありバランスが良い。
本体成型も良いので強度は問題無いだろう。

－－

内部のレビューは以上です。

各パーツしっかりしていてとても良い。
ちゃんと本体に合わせて作られていて粗悪感は無い。
信用できる内部仕様です。

１５、実際に荷物を入れてみた感想

容量はやや多めで良い。

200匁のフェイスタオルをほぼ限界まで入れてみた結果、メイン収納に52枚入りました。
フロントポケットには5枚。合計57枚。
大容量な機内持ち込みサイズだと60枚入るので、57枚はやや多め。

ただ、メイン収納に詰め込み過ぎるとフロントポケットが圧迫するので、
フロントポケットにたくさん入れたい場合はメインは46枚程度が良い。
できるだけ右側に詰め込もう。

容量が多いのは本体サイズが大きいためでもある。
3辺の和115.9cmという点を考慮してください。

１６、スイスミリタリー AVENTURAを実際に転がして使ってみた感想

キャリーハンドルが使っていて気持ち良い！

やはりスイスミリタリーと言えばキャリーハンドル。
握り心地の良いグリップ、そしてぐらつきの小ささが快適です。
他社もこれを真似してほしいと思えるほどに。

残念なのはやはりキャスターがうるさめなこと。
カラカラと高い音が目立ちすぎる。
さすがにこれは使うならキャスターカバーを装着かなと思う。

トップハンドルはさっと持てるのは良いのですが、
荷物を入れて重たくなった状態だと手がちょっと痛い。
ここは個人差ある点なのですが、自分には合わなかったのが残念。
関節の長さとハンドルの幅が合わないと痛くなるのです。

その他、特に変な音もせず違和感も無し。
ちょっとうるさい以外は十分使えるスーツケースでした。

重量はやや重ため。

フロントポケットタイプの機内持ち込みサイズなら、3.2～3.4kg程度が普通。
これは約3.5kgなのでやや重ためです。
仕様が良いので重たくなるのは仕方ない。

軽さを求める人は止めておこう。

１７、スイスミリタリー AVENTURAの検証・レビューまとめ

※個体差・不良品の可能性有り

スイスミリタリーのデザインが好きな人が買いたい。

正直なところ、この値段（約4万円）にしてはいまいちなスーツケースに思える。
大きなフロントポケットやキャリーハンドルはとても良いですが、
最近のスーツケースにしてはうるさいキャスターが大幅なマイナス点。

USBポートの雑な仕様、縫製の雑さなど、うーんと思える点も多い。
内装の臭いのきつさもそうそう無いレベル。
寸法も表記より大幅に大きく機内持ち込みは厳密にはできないものだった。

デザイン性は最高に良いので、それに惚れた人は買いでいい。
全体的に悪いスーツケースではなく、十分使えるレベルです。
ただ、コスパ的には悪いのでデザインが好きな人にしかおすすめできない。

自分はせっかくなのでキャスターカバーを付けて使いたい。
キャリーハンドルは気に入っているので一度旅行で使ってみたいです。
握っていて心地良いスーツケースはそうそう無い。