スカイナビゲーター SK-0889-70 レビュー!評判のスーツケースをプロが検証

SKYNAVIGATOR SK-0889-70をレビュー!
スカイル(旧ロジェールジャパン)の人気シリーズ「スカイナビゲーター」の片面開きモデル。
M・Lサイズはトランク型になっているのが他のシリーズと違う点。
oltimoとの仕様の違いも知りたかったので買いました。
購入したのはLサイズ、カラーは「ジェットブラック」です。
プロとして完璧にレビューしたい。
<これ>

・当サイト代表のスーツケースガチ勢
<関連>
・スーツケース SKY NAVIGATOR(スカイナビゲーター)の話(種類、良い点・悪い点、評判など)
・oltimo(オルティモ) OT-0875-69 レビュー!評判のスーツケースをプロが検証
1、外装箱レビュー
激しくぼこぼこな状態で届く。
どこが犯人かはわかりませんが、「頼むぞ佐川…」と思ってしまう。
スーツケースなので問題無いですが、さすがにこれは不満。
ダンボールは2重で厚く質は良い。
よくこんなに変形させたなと思える。
2、包装レビュー
ダンボールの構造はごく普通。
カッター傷防止に最低限サイズな上蓋が有り。
発泡スチロールでの固定もあり、包装は悪くない。
本体は外側に不織布のカバー、内側にビニールのカバー。
スカイルらしい丁寧な包装です。
本体のカバーを外した状態です。
ハンドル部に店頭販売用のPOPとタグがたくさん。
保護カバーは無し。
正面には機能性を説明するラベル。
簡単に剥がれます。
キャリーハンドル部にはPOP。裏面も同じ。
タグが3枚。
真ん中のは裏面も同じなので省略。
まだロージェルジャパンの時代。
現在は「ロジェールロック」は「ハイブリッド式ロック」と改名されています。
タグの中面。
一般的な注意書き。
読みたい人は写真をクリックして拡大ください。
3、外観レビュー
太い縦長のトランク型。
シンプルで艶のある本体デザイン。
奥行が大きく横幅が小さいトランク型のLサイズ。
大きなものを入れやすいのが良い点です。
デザインはとてもシンプルで、正面と背面に横ストライプなリブがあるのみ。
塗装はツヤがあり反射しやすい。
強い光に当たってもちゃんとしたブラックなのも良い点。
ほぼ全パーツが真っ黒でかっこいい。
上面が凹んでいるのが気になる点。
寸法を測定すると1cmほど小さかったため、不良品かもしれない。
寸法測定結果
高さ (cm) |
横 (cm) |
奥行 (cm) |
3辺 の和 |
|
表記 | 76.5 | 44.5 | 35 | 156 |
実測値 | 75.7 | 44.6 | 34.3 | 154.6 |
3辺の和は実測値で154.6cmとやや小さめのLサイズ。
無料預け入れ限界サイズでは無い。
Lサイズは無料預け入れ制限となる158cmのものが多いですが、
このSK-0889-70は小さく余裕のあるサイズになっています。
ここはちょっともったいない点。
前述しましたが、高さが低い。
トップハンドル部が大きく凹んでいるので、それが原因と思います。
こんなものなのか、成型不良等なのかはわからない。
4、ファスナー&TSAロックの操作感
TSAロックはダイヤル・鍵どちらでもいけるタイプ。
型は一つ前の「007型」。
ハイブリッド式ロック(旧称ロジェールロック)です。
ダイヤルでも鍵でも解除できるので便利。
ほぼ高級なシリーズにしか搭載しないので、SK-0889はスカイルの中でも高級品と言える。
スライダーを差し込んでのロック、
ダイヤルの場合は数字を合わせてレバーでの解除。
高さもぴったり合っていて、操作性は問題無し。
ファスナーは普通の1重タイプ。
動きもスムーズで問題無し。
5、キャリーハンドルの操作感
↑最大に伸ばした状態
↑最小の掴める高さ
キャリーハンドルは自由な位置に調節可能。
ぐらつき(遊び)は小さめ。
ギアのような感じでどの位置にも固定できます。
無印良品のスーツケースと同じような感じです。
これは良い点ではありますが、収納もボタンを押す必要があるのは悪い点。
サッと収納することができず、個人的にはストレスで嫌い。
ぐらつき(遊び)は小さく問題無し。
持ち手部も小さめで持ちやすい。誤作動もしない。
上面が平らでしっかり持てるのが個人的に好き。
キャリーバーが艶のあるブラックでかっこいい。
調節用の穴も無く、デザイン性はとても良いです。
6、トップハンドルの持ち心地
クッションの無いシンプルな樹脂ハンドル。
大きく膨らむので指が本体に当たらない。
スリムなトップハンドルです。
持つと膨らむのでストレスは無い。
しっかり握って持っても本体に指が当たらず快適。
特別に良いということもないですが、普通に使えて問題無い。
サイドハンドルも同じ仕様です。
7、キャスターの操作性・静音性
キャスターは「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」を搭載。
日本が誇るキャスターメーカー「日乃本錠前(HINOMOTO)」の超静音キャスターです。
これは本当に静かで操作性も耐久性も抜群。
スカイルでは中級品以上での搭載が多い。
口径は50.5mm。スーツケースとしては普通な口径です。
「oltimo OT-0875-69」は60mmと巨大でしたが、これは小さい。
考えられるのは容量重視ですが、本体のサイズ的に60mmでも問題無いはず。
口径が大きいほど段差に強くなるので走行性は良くなりますが、
50mmでもそう問題は無い。普通な走行性です。
セミがうるさくて動画撮影できないため、oltimoの動画を掲載します。
50mmと60mmで静音性は変わらないので、50mmでも同じ。
<oltimo OT-0875 キャスター静音性確認動画>
<比較用(うるさい安物キャスター)>
安物キャスターと比べると圧倒的な静音性。
実際に少し庭で転がしましたが、いつも通りの「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」で問題無しでした。
8、キャスターストッパー
↑解除状態
↑ロック状態
ワンタッチ式のキャスターストッパーを搭載。
前輪にストッパーがあるタイプ。
側面上部にキャスターストッパー操作部があります。
レバーを上げるとロック。解除は上のボタンを押すだけ。
レバー動作は軽くてストレスが無い。
スーツケースにおける最高のキャスターストッパーと言えます。
前輪がロックするので、ロック状態でも斜めに引いて転がすことができる。
一般的には後輪ロックなので、ここは一応は良い点。
このストッパーもHINOMOTO製で、「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」とセットになっています。
実績は十分あり信頼性抜群。自分も壊れたことが無い。
9、容量拡張機能をレビュー
側面中央にあるファスナーが容量拡張用。
広がった分奥行が増える仕組み。
拡張すると見た目が悪くなるのが難点。
電車の連結のようになるので、荷物が詰まっていないと走行性も悪くなる。
拡張幅は約4cm。
容量拡張機能としてはやや大きい拡張幅です。
大きい物は5cm以上あるので、どちらかといえば普通。
拡張部の生地は上部。
厚い生地が二重になっています。
裏地はPVCのような素材なので防水性も良いはず。
10、荷物をかけるフックレビュー
上段の底鋲が荷物をかけるフックにもなっている。
よくある兼用仕様です。有効活用的なもの。
かかりは浅いのでレジ袋程度しかかけられない。
バッグはちょっと心配になる。
トランク型のLサイズなので、大きな袋もかけられる。
単純ながら便利な機能です。
11、内装をレビュー
片面開き仕様。
本体中央は開かず、片面が蓋のように開きます。
片面開き仕様は狭い場所でも荷物の出し入れができるので便利。
椅子の上や車のトランクでも開けられます。
子供でも出し入れしやすい。
このSK-0889-70は仕切りが豊富で収納性にこだわっています。
oltimo OT-0875との違いは内装と考えていい。
生地も良く、おそらく高級シリーズの「CORSTONE」と同じ。
ただ、取り外して洗濯することはできない。
写真で解説していきます。
「LOJEL Cubo」に似たデザインの内装。
開き具合は両端のバンドで調節できます。
これは初期状態。
パネル側はポケットが3つ。
iPadくらいなら入りますが、メッシュであまり強度は無いので不安。
軽いものだけ入れるのが良いと思います。
スカイナビゲーターのロゴ入り引手。
ポケットの開き具合。
本体を立てた状態では使いにくい。
メイン収納を被せるようにして仕切りが1枚。
これがあるので立てた状態で開けても荷物はこぼれない。
仕切りにはポケットが2つ。
ファスナーは共有ですが、メッシュ中央は縫われていて分かれています。
仕切りは2つのバックルで固定されています。
バックルを外すとこんな感じ。
このファスナーを開けると完全に取り外すこともできます。
こんな感じで外れます。
上面の仕切りを開けた状態。
中に取り外し可能な仕切りがある。
これも「LOJEL Cubo」と似たようなもの。
ポケットがあるのでホテルで取り出して使ったり、
荷物を仕切る中仕切り等にも使えて便利です。
裏面は何もない。
仕切り中央のバンドは持てるようになっています。
取り出す際に便利。
ポケットは2つに分かれています。
こちらは個別に引手搭載。
仕切りを全て外した状態。
荷物を押さえるXバンドがある。
Xバンドのバックルはごく普通なもの。
Xバンドを外した状態。
底面はキャリーバーがあるので凸凹です。
中にはポケットが2つあります。
反対面のポケット。
深さは底まで。
生地も柔らかいのでたくさん入る。
合わせ面のカバー部のファスナー。
これはほぼメンテナンス用なので外す必要はありません。
開けるとこんな感じ。
さらに生地部のファスナーを隠すカバーがある。
生地部のカバーのファスナーを開けた状態。
ここは基本的に開けず見えない箇所なので、仕上げがちょっと雑。
このファスナーは完全にメンテナンス用。
生地を少し外すことができます。
メンテナンス用ファスナーを一周開けた状態。
生地が外れないように縫われています。
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内装のレビューは以上です。
かなり立派な内装仕様。
このスカイナビゲーター SK-0889-70は値段が高いだけある。
スカイルが本気で作った片面開き仕様と感じる。
生地の質も良く、仕切りもしっかりしていて優秀。
結論的に、この内装を目当てに買うスーツケースです。
12、内部をレビュー
内装レビューの続き。
メンテナンスファスナーを開けて生地を外すと、
生地固定用のマジックテープがあった。
マジックテープは接着剤で固定されており、
多量にはみ出していて雑。かなり感じが悪い。
反対面も同じく雑だった。
ちゃんとポリカーボネート用の接着剤を使っていると思いますが、
そうでなければポリカーボネートは薬剤劣化に弱いので不安になる。
トップハンドルとキャリーハンドルの固定部です。
黒いシートはねじの保護テープ。
上の黒いバーがトップハンドルの固定部。
厚くてリブもあり質は良いですが、この価格帯としては普通。
クッションテープを外したキャリーハンドルの固定部です。
こちらも普通。
形状がピッタリではないので、汎用的な部材かもしれない。
キャリーバーの固定部です。
かなり軽量化されている。
厚くしっかりとしたリブもあり、強度は良さそう。
キャスターの固定部です。
クッションテープが貼ってありましたが剥がしました。
補強材が上面だけの仕様でいまいち。
本体成型での補強はしてあり、そちらが強度のメインだろう。
問題は無いと思いますが、定価4万円ならもうちょっと補強してほしかった。
実際には強度が良いのかもしれないけども、見た目的には良くは見えない。
<参考:oltimo OT-0883 CORSTONEのキャスター部>
このメーカーの本気はこれなので、スカイナビゲーターは最高では無いはず。
これは容量拡張部の生地。
Xバンドは直接縫っての固定。
このあたりはoltimoと同じ。
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内部のレビューは以上です。
4万円と高いスーツケースですが、2万円のoltimoと大差ない内部仕様。
高級品という感じはしない。
普通な中級品仕様だなと感じました。
とはいえ、しっかり補強はしてあるので強度は問題無いだろう。
接着剤の雑さだけが残念。
13、実際に転がして使ってみた感想
キャスターは静かで快適。
キャリーハンドルの調節が慣れないのだけが不満。
キャリーハンドル以外はoltimo OT-0875-69とほぼ同じ感想です。
「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」なので静音性は良い。
キャスターストッパーもワンタッチで楽々。
キャリーハンドルは自由な位置に調節できますが、
調節の際に「ギィィィ!」とギアのような音がするのが個人的に不快。
壊れそうで心配になる。
収納もボタンを押しっぱなしにする必要があるので、さっと収納ができない。
二度手間になってしまうのがストレスです。
なんか、この仕様は好きになれない(個人の好みの問題)。
ぐらつきは小さく、持ち手も掴みやすいのでここは好き。
トップハンドルも初期状態で本体との隙間が大きいので、
指を入れやすくてさっと持てて良い。
使用感はとても良いです。ほとんどの人は不満は出ないだろう。
重量は実測値5.66kgととても重たい。
ジッパータイプのLサイズとしては重たいです。
oltimo OT-0875-69のLサイズも5.33kgと少し重ためですが、それを大幅に超える。
これは内装の仕切りの多さが原因だろう。
仕切りを全部外せば変わらないはず。
14、スカイナビゲーター SK-0889-70の検証・レビューまとめ
項目 | 評価 | コメント |
容量 | ◎ | 片面開きなので大容量 |
重量 | △ | 実測値5.66kgと重ため |
包装 | 〇 | 不織布カバーとビニール |
キャリーハンドル | 〇 | 自由調節。ぐらつきは小さい |
トップハンドル | 〇 | 指を入れやすい。大きく膨れて持ちやすい |
ファスナー | 〇 | 動きはスムーズ |
TSAロック | ◎ | 鍵・ダイヤル両方いけるタイプ。007型 |
キャスター | ◎ | HINOMOTO Lisof SILENT RUN |
内装 | ◎ | 2つの仕切りで収納性が良い。生地も良い |
仕上げ | 〇 | 全体的に縫製は綺麗。接着剤は雑 |
良い点(Good)
- ✔片面開きなので大容量
- ✔トランク型なので大きなものを入れやすい
- ✔キャスターの静音性抜群
- ✔ワンタッチ式のキャスターロック
- ✔自由な位置に調節できるキャリーハンドル
- ✔ぐらつきが小さいキャリーハンドル
- ✔指を入れやすく持ちやすいトップハンドル
- ✔約4cmの容量拡張機能
- ✔内装に2つの取り外せる仕切り
悪い点(Bad)
- ✕重量が実測値5.66kgと重ため
- ✕他シリーズと比べ、キャスターが50mmと小さめ
- ✕キャリーハンドルの収納が少し面倒
- ✕本体上面が凹んでいる(仕様?不良?)
oltimoを高機能にしたモデル。
値段は高いですが、これは機能性アップによるものでした。
本体の仕様・内部構造等はoltimoと大差無い。
そのため、コスパが良いとは言えないモデルです。
理想を詰め込んだ内装仕様、自由調節なキャリーハンドル、
鍵でもダイヤルでもいけるハイブリッド式のTSAロックなど、
スカイルが本気で機能性を考えたスーツケースと言えます。
このあたりに魅力を感じる人は買いたい。
こんなの要らない!という人は安くコスパの良いoltimoをおすすめします。