プラスワン AlphaSky 782-50 レビュー!評判のスーツケースをプロが検証

プラスワン AlphaSky 782-50をレビュー!
日本のスーツケースメーカー「プラスワン」の主力ブランド「AlphaSky」。
その新商品として多機能なスタンダードタイプが登場。
かなりコスパ良さそうなので買ってみた。
購入したのはSサイズ、カラーは「ホワイト」です。
プロとして完璧にレビューしたい。
<これ>
※AmazonはMサイズへのリンク

・当サイト代表のスーツケースガチ勢
1、外装箱レビュー
「多機能スーツケース!」と大きくアピール。
「782」がシリーズで、「50」はサイズ。
全体的に小さな変形と汚れが激しい。
ダンボールは2重の厚いタイプなので強度的には問題無し。
2、包装レビュー
上面を全て塞ぐダンボール仕様でカッターも安心。
固定にもなるので良い仕様です。
本体は不織布のカバー。
汎用的な普通なものです。
店頭販売用のPOPです。
ちなみに、実店舗ではサックスバーに売っていました。
裏面。
機能性の説明です。
本体カバーを外した状態。
トップハンドル部にタグが3枚。
キャリーハンドル部に保護カバー。
3枚のタグ表面。
左は保証書なので無くさないように。
裏面。
スペックの記載。
3、外観レビュー
※天候不安定な日に撮影したため色合いが統一されていません。
正しい色は商品ページの写真を見て下さい。
シンプルなストライプデザイン。
ホワイトカラーですが、薄めのアイボリーです。
完全なホワイトではなく、やや黄色っぽい色です。
明るいところだと真っ白に近く見えますが、暗い室内だとクリーム色。
各パーツはさらに色が強く、色合いの統一はされていない。
ここがちょっと安っぽく見えるので残念。
プラスワンらしいストライプデザイン。
角が大きく面取りされているのが特徴的。
容量はやや減りますが、強度アップになるのが良い点。
容量拡張機能があるので、そのファスナーにより本体の歪みが大きかった。
一度荷物を入れると歪みはほぼ無くなったので問題無い。
上の写真は初期状態と見て下さい。
形状は太め。
各パーツがスリムなので本体は大きめです。
寸法測定結果
高さ (cm) |
横 (cm) |
奥行 (cm) |
3辺 の和 |
|
表記 | 55 | 36 | 24 | 115 |
実測値 | 55.3 | 36.5 | 24.4 | 116.2 |
3辺の和が116.2cmで機内持ち込みは不可。
全体的に商品ページの記載サイズより大幅に大きい。
身長を測るようにして測定しているので、誤差は1mmも無い。
奥行はファスナー部の影響で変化しますが、24cmを切ることは無かった。
もちろん個体差かもしれません。
あくまで自分に届いたものは機内持ち込み不可能と思ってください。
とはいえ、この程度なら指摘されず機内持ち込みできる可能性は高い。
厳密にはNGと考えてください。
4、ファスナー&TSAロックの操作感
TSAロックはダイヤル式。一つ前の「007」型。
TSAロックはごく普通なダイヤル仕様。
「TSA007」と書かれている部分を上に動かすと解除できます。
ロックもファスナーの引手を差し込むだけ。
操作感は問題無く、ストレス無くロック・解除できる。
ダイヤル部も硬めでしっかり回せます。
ファスナーの動きもスムーズで問題無し。
5、キャリーハンドルの操作感
↑最大に伸ばした状態
↑最小の状態
キャリーハンドルは3段階調節。
ぐらつき(遊び)は普通。
キャリーハンドルは一般的な3段階調節。
いつも通り上にあるボタンを押しての上げ下げです。
高さ調節幅は均等。動きは軽く安っぽさがある。
やや引っかかる時もあり、中途半端に下げて上げると片止まりすることも。
ぐらつき(遊び)は普通。良いとは言えない。
ほぼ気にならないレベルではあります。
持ち手部はやや尖っている形状。
そのため立てた状態で握るとやや持ち心地は悪いですが、
斜めに引いて転がす際はしっくりくるので良い。
総合的に普通な評価のキャリーハンドル。
好きとは言えない。
6、トップハンドルの持ち心地
クッションの無いシンプルな樹脂ハンドル。
膨らみはやや小さめで、ギリギリ指が当たらない程度。
かなりスリムなトップハンドルです。
膨らみも最低限で、握ると指が当たりやすい。
そのため持ち心地はいまいちです。
荷物を入れて重たくなった状態じゃないと最大に膨らまないので、
軽い状態で持つと指がずっと本体に当たる。
個人的にはこのタイプは嫌い。
本体が凹んでいるので指を入れやすいのは良い点。
容量拡張機能があるとどうしても狭くなるのですが、
これは本体を凹ませてスペースを確保してある。
指先でサッと持つ分にはストレス無く問題無い。
サイドハンドルも同じ仕様です。
7、キャスターの操作性・静音性
キャスターは「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」を搭載。
口径は約60mmと大きい。
日本が誇るキャスターメーカー「日乃本錠前(HINOMOTO)」の超静音キャスターです。
これは本当に静かで操作性も耐久性も抜群。
プラスワンのアルファスカイシリーズの共通仕様です。
機内持ち込みサイズにしては珍しく、ほぼ最大となる口径60mm。
口径が大きいほど段差に強くなります。
他シリーズは50mmなので、この782型のとても良い点です。
<アルファスカイ 782-50 キャスター静音性確認動画>
<比較用(うるさい安物キャスター)>
安物キャスターと比べると圧倒的な静音性。
もうこんなうるさいやつは使えなくなる。
8、キャスターストッパー
↑解除状態
↑ロック状態
ワンタッチ式のキャスターストッパーを搭載。
背面上部にキャスターストッパー操作部があります。
レバーを上げるとロック。解除は上のボタンを押すだけ。
レバー動作は軽くてストレスが無い。
スーツケースにおける最高のキャスターストッパーと言えます。
このストッパーもHINOMOTO製で、「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」とセットになっています。
実績は十分あり信頼性抜群。自分も壊れたことが無い。
1万円台のスーツケースへの搭載は少ないため、これはコスパが良い。
9、荷物をかけるフック
上面に荷物をかけるフックを搭載。
上面にフックがあるのは珍しい仕様です。
地面までの距離が稼げるので、大きなレジ袋をかけられるのが良い点。
バッグなど硬いものをかけにくいのが悪い点。
レジ袋用途ならとても優秀。
他社もこの仕様になれば良いのにと思う。
10、ドリンクホルダー
背面に収納式のドリンクホルダーを搭載。
引っ張ると出てくるドリンクホルダーです。
構造等は普通で、他社品もほぼ同じ。
これだけ色合いが大きく違うのが個人的には残念な点。
内部に出っ張るので収納性が悪くなるのが悪い点。
収納式なので、どうしても内側に出っ張ってしまう。
これにより凸凹になり収納が難しくなるのと、容量が減る。
ドリンクホルダーは便利ですが、使わないのなら無駄でしかない。
このデメリットは理解した上で購入ください。
ペットボトルがちょうどよく入る。
重みでたわむので傾きます。
このタイプのドリンクホルダーは他社品もだいたい同じ。
600mm以上の大きなペットボトルは底面が入らないことがある。
ただ、落ちることは無いのでほぼ問題は無い。
セブンイレブンのRサイズのホットコーヒーカップを入れた図です。
高さがぴったりで取り出しにくい。
これはLサイズ。
上で引っかかりますが、ほぼほぼ問題無く置ける。
これはセブンのRサイズのアイスコーヒー。
上で止まってほぼ底まで届かない。
これは危ないので止めておいたほうがいい。
これはローソンのSサイズのアイスコーヒーカップ。
同じく危ない。
Mサイズ。
底に届くのでほぼ問題無く置けた。
メガサイズ。
不安定なのでこれは危ない。
スタバのトールサイズ。
大きさぴったり。これに合わせているのではと思うほどに。
--
ドリンクホルダーは基本的にはペットボトル用と考えていい。
コーヒーカップはNGなものが多いので要注意。
ゴミ置きや一時的な置き場として考えてください。
11、容量拡張機能
約4cm(15%アップ)の容量拡張機能を搭載。
側面中央に容量拡張用のファスナーがあります。
これを広げると容量拡張ができる。
グルっと一周開けた状態。
この開いた幅の分、容量が増える仕組みです。
拡張部の生地も本体の色と合わせているので見た目が良い。
電車の連結のようになるので、ぐらぐらするのが容量拡張の悪い点です。
拡張した際はできるだけ荷物を満杯に入れてください。
拡張部の生地は厚くて丈夫。
上にあるファスナーはポケットです。
開けるとこんな感じ。
内部にあるポケットに繋がっています。
外からも出し入れできる!というものです。
拡張状態しか使えないのは残念。
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拡張幅は商品ページでは約4cm。
測定すると3.5cmくらいでした。
他社品だと5cm以上もあったりするので、容量拡張率は普通です。
12、内装をレビュー
両面仕切り仕様。
仕切りは一部が外れる変わった仕様。
左側は普通ですが、右側は他社には無い変則的な仕切りです。
下半分だけ取り外し可能。
しかし正直、あまり外す意味は無いよう思える。
写真で説明していきます。
本体カラーでファスナー部の色が変わります。
これはホワイトなのでファスナー部もホワイト。
生地は厚めで光沢もあり質感が良い。
右側は一部が取り外せる仕切り。
本体とは下のバックルで固定されています。
ファスナーの引手はマットシルバーでおしゃれ。
下部が太くなっていて掴みやすい。
上は横長のポケット。
ケーブルなど小物を入れるのに向いています。
下は大きく膨らむポケット。
当然ながら入れるほどに圧迫され荷物が入らなくなるので注意。
仕切りは下にある二つのバックルで固定されています。
普通なバックル。
中央にある取り外し用ファスナーだけを外した状態。
バックルも外すとこのように外れます。
外した方が容量が増えて軽くなるので、使わないなら外そう。
仕切りの中はXバンド。
これがあるので仕切りはバックルで固定する必要はあまり無い。
Xバンドのバックルも普通なもの。
バンドは直接縫って固定。
安い仕様です。
生地は厚めで質が良い。
左側は全面仕切り。
メッシュポケットが2つ。
ファスナーは同じ。
AlphaSkyのロゴタグ。
ポケットの開き具合。
薄めのポケットです。
中は何も無い。
ボトムハンドルがあるので、中央下部は少し出っ張っています。
こういった機能性があるほどに容量は減っていく。
合わせ面のカバー上部。
カバー左側はマジックテープで固定。
メンテナンス用途でしか外しません。
合わせ面のカバー下部。
カバーの縫製がとても雑だった。
右側は容量拡張側なので、非拡張状態では生地がたるんでいる。
容量拡張するとこのようにピンと伸びます。
この分容量が増える。
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内装のレビューは以上です。
ポケットが豊富なのが良い点ですが、
小さいポケットが4つなので、書類を入れるのには向いていないのが悪い点。
取外せる仕切りも一部しか外れないのが微妙。
機能性と引き換えに犠牲になっているものが多いと感じる。
とはいえ全体的には良い内装仕様です。
生地も良いし、外からも出し入れできるポケットも便利。
13、内部をレビュー
メンテンナンスファスナーを開けた図。
中にシートがありました。
梱包用のミラーマットです。
底面の凸凹緩和に入れているメーカーが時々ある。
容量が減るのが悪い点。
四角いのはドリンクホルダー。
左右の棒はキャリーバー部です。
トップハンドルとキャリーハンドルの固定部です。
上のバーがトップハンドル固定部。
大きく幅広なのでなかなか良い。
黒いクッションテープはねじ部の保護です。
下の大きな部材がキャリーハンドル部。
本体上面まである巨大な部材で補強はバッチリ。
しかし肉盗み等されておらず重たくなっているのは難点。
トップハンドルを持ってもほぼたわみが無く、良い内部構造です。
右にあるこれはキャスターストッパー機構部。
いつもの普通なHINIMOTO製。
レバーを上げるとワイヤーが動いてロックする仕組みです。
キャリーバーの根本固定部。
固定材は無く本体に直接ねじ止めといまいち。
安い仕様です。
キャスター固定部です。
こちらも固定材は無く本体に直接ねじ止め。
底上げ仕様で成型で大きくRを取るなど補強があるので問題は無いだろう。
良くは無い。
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内部レビューは以上です。
1万円台のスーツケースだなと思える内部仕様。
トップハンドル部はそこそこ良いですが、キャスター側がいまいち。
価格相応の中級品だなと感じます。
14、実際に荷物を入れてみた
容量は普通。
200匁のフェイスタオルをほぼ限界まで入れてみた結果55枚入りました。
一般的な機内持ち込みサイズだと55枚程度なので普通。
仕切りを外すともう少し入るので、それだとやや多めになる。
3辺の和が約116cmと大きめなのですが、
ドリンクホルダーなど邪魔なものが多いので60枚は厳しい感じ。
厳密には機内持ち込みできないサイズなので、そこだけは要注意。
※116cmなのは個体差等の可能性はあり。
15、実際に転がして使ってみた感想
キャスターが静かで快適。
いつもの「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」なので静音性は抜群。
口径も60mmと大きいので、50mmだとガン!となる段差もスムーズに乗り越えられる。
走行性はとても良いです。
ハンドル類は普通。
立てて転がすとキャリーハンドルの尖りがちょっと不快ですが、
斜めに引いて転がすとしっくりくる形状で良い。
調節ボタンが誤作動することも無かった。
トップハンドルは指を入れやすいですが、
指の第二関節部分が本体に当たりやすいのがストレス。
どちらかというと女性向けのハンドルやなぁと感じます。
その他、変な音や違和感は無し。
100点とは言えないですが、問題無く使えるスーツケースでした。
重量は3.59kgと重ため。
商品ページ記載は3.6kg、実測値3.59kgとほぼ同じ。
機内持ち込みサイズのスタンダードタイプとしては重たい方です。
機能性が良いのが原因ですが、それにしては重たい。
プラスワンは重量を犠牲に質を良くしているのだと思います。
どのシリーズも重ためです。
ちなみに、仕切りを外すと3.50kgでした。
だいぶマシになるので、軽くしたいなら外そう。
16、プラスワン アルファスカイ 782-50の検証・レビューまとめ
項目 | 評価 | コメント |
容量 | 〇 | 本体は大きいが機能性でやや少な目 |
重量 | × | 実測値3.59kgと重たい |
包装 | 〇 | 不織布カバー |
キャリーハンドル | 〇 | ぐらつき普通。尖った形状がやや難 |
トップハンドル | △ | 指を入れやすい。膨らみが小さく指が当たる |
ファスナー | 〇 | 軽くてスムーズ |
TSAロック | 〇 | ダイヤル式。007型 |
キャスター | ◎ | HINOMOTO Lisof SILENT RUN 口径60mm |
内装 | 〇 | 両面仕切り。一部取り外し可能 |
仕上げ | 〇 | 全体的に綺麗 |
良い点(Good)
- ✔HINOMOTO Lisof SILENT RUNで静音性抜群
- ✔ほぼ最大サイズとなる60mmキャスター
- ✔ワンタッチ式のキャスターロック
- ✔ドリンクホルダー搭載
- ✔荷物フックが上面にあり大きなレジ袋も可
- ✔約4cmの容量拡張機能
- ✔外からも内部のポケットを使える
悪い点(Bad)
- ✕3辺の和116.2cmで機内持ち込み不可
- ※個体差等の可能性有り
- ✕重量が約3.6kgと重たい
- ✕トップハンドルの膨らみが小さく指が本体に当たる
- ✕キャリーハンドルの握り心地がいまいち
機能性は優秀でコスパは良い。
重たいなど、使用感はいまいち。
定価約2万円としてはなかなか良い仕様です。
この機能性で実売価格は1万円後半なので、コスパは抜群。
普通に買ってもいいスーツケースと言えます。
多機能により重たくなっているのが一番悪い点。
ジッパーのスタンダードタイプで3.6kgはかなり重たい部類。
機能性が魅力に思えないなら止めたほうがいい。
ハンドル類も個人的にはいまいち。
使っていて気持ち良くない、
容量重視のスリム化で使い心地が犠牲になっていると思う。
あと、個体差かもしれませんが、
3辺の和が実測値116.2cmで機内持ち込みができないこと。
高さも55cmを超えている。
このくらいで指摘されることはほぼ無いと思いますが、厳密にはNG。
機内持ち込み用途の場合は要注意。
--
総合的に悪くは無いですが、強くはおすすめできない。
コスパは良いので、いろいろと妥協して買うスーツケースかなと思います。
ちなみに、Mサイズは3辺の和127cmとかなり小さいMサイズなので要注意。
中途半端なのでもっとおすすめできないかな…