Vivcon L555 レビュー!評判のスーツケースをプロが検証

Vivcon L555 レビューをレビュー!
「Vivcon」はAmazonで売られている格安スーツケース。
出品者は中国の「深圳市欧然系统科技有限公司?」という業者。
よくある怪しいブランドの一つで、スーツケースのみ出品中。
購入したのは「L555」という品番(商品ページでは「Vivcon02」と記載有り)。
Sサイズ、カラーは「ブラック」。
片面開き&多機能でコスパが良さそうなので買ってみた。
プロとして完璧にレビューしたい。
<これ>

・当サイト代表のスーツケースガチ勢
1、外装箱レビュー
品番・カラー・サイズのみのシンプルなデザイン。
このスーツケース製造会社はOEM?でいろいろなブランド名で販売しています。
商品ページには記載ありませんが、「L555」が品番で間違いない。
ダンボールは2重で厚く質は良い。
やや変形や傷はありますが、汚れは少なく綺麗な状態です。
2、包装レビュー
普通な構造のダンボール。
説明書兼冊子があるのでカッター傷の心配はほぼ無し。
上面に発泡スチロールの固定材が2つあって良い。
本体はビニールと専用のPVCカバー。
安物にしてはなかなか丁寧で素晴らしい包装です。
付属としては珍しいPVC製の本体カバー。
PVC製にしては薄く超安物です。
防水ですがハンドル部に穴があるので水は侵入してしまう。
汚れ防止カバーとして使いたい。
ただ本体に被せるだけの仕様で、底面の固定は無し。
そのため機内預け入れや宅配用としては使いにくい。
自分としては保管用カバーとしての用途かな…
説明書の表紙と裏表紙。
この製造会社のスーツケースに共通して入っています。
内容の違いはブランド関連とメールアドレス程度です。
説明書兼冊子の最初のページ。
使い方、注意点、保証などの説明があります。
数ページあるので割愛。
本体カバーを外した状態。
各ハンドルに保護ビニールが付いています。
包装は安物にしては丁寧で良い。
3、外観レビュー
縦ストライプのシンプルなデザイン。
光沢は強め。
全面にストライプがあるデザイン。
単なるラインでは無く、トレーを積み重ねたような形状です。
このリブは強度アップも兼ねているはず。
かなり光沢ある塗装なので反射が強い。
テカテカするのが嫌な人は止めておこう。
それもあり高級感はほぼ無く、ぱっと見の安物感が強い。
ファスナーによる歪みはほぼ無く、作りはとても良い。
安物ですが丁寧な作りで安心できる。
このスーツケース製造会社は安物の中では良い方です。
形状は奥行が大きく、横幅が小さめで太い形状。
そして角のRが小さくかなり四角い。
寸法測定結果
高さ (cm) |
横 (cm) |
奥行 (cm) |
3辺 の和 |
|
表記 | 54 | 35 | 24 | 112.5 |
実測値 | 54.8 | 35.9 | 24.0 | 114.7 |
問題無く機内持ち込みサイズ。
商品ページに記載されている寸法より若干大きめですが、
各辺もOK、3辺の和も114.7cmでJAL・ANAの機内持ち込み基準に合っています。
安物は海外仕様が多く高確率でNGなのでこれは高評価な点。
サイドハンドル・底鋲があるので、本体は限界サイズでは無い。
MAX容量仕様では無く、普通な容量仕様。
4、ファスナー&TSAロックの操作感
TSAロックはダイヤル式。一つ前の「007」型。
TSAロックはごく普通なダイヤル仕様。
「TSA007」と書かれている部分を下に動かすと解除できます。
ロックもファスナーの引手を差し込むだけ。
操作感は問題無く、ストレス無くロック・解除できる。
ダイヤル部も硬めでしっかり回せます。
ファスナーの動きもスムーズで問題無し。
5、キャリーハンドルの操作感
↑最大に伸ばした状態
↑最小の状態
キャリーハンドルは3段階調節。
ぐらつき(遊び)は小さめ。
キャリーハンドルは一般的な3段階調節。
いつも通り上にあるボタンを押しての上げ下げです。
作動は良好。誤作動も無い。
ぐらつき(遊び)は小さめで良い。
高級品と比べると劣りますが、この価格帯なら上等。
持ち手部はやや太め。
詳細は後述しますが、スマホスタンドがあるためだろう。
丸っこいので持ち心地は良い。
6、トップハンドルの持ち心地
クッションが有るので持ち心地が良い。
膨らみも大きいので持ちやすい。
裏面がシリコンゴムになっているので柔らかい持ち心地です。
程よいシリコンの厚みで安定感も良い。
持っていて気持ちがいい。
指も入れやすく、持つと簡単に大きく膨らむので指も当たらない。
個人的にはかなり好きなトップハンドルです。
このスーツケース製造会社の共通仕様的存在。
サイドハンドルも同じ仕様です。
7、キャスターの操作性・静音性
サスペンション&ストッパー付キャスター。
静音性はとても良い。口径も56mmと大きい。
ノーブランド品のサスペンション付きキャスター。
後輪に足で踏むストッパーも付いています。
口径は大きめとなる56mmで良い。
静音性は抜群で定番の静音キャスター「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」と同等。
耐久性等は不明ですが、安物にしては優秀なキャスターです。
サスペンション付きなので、手に伝わる振動も少ない。
<Vivcon L555 キャスター静音性確認動画>
<比較用(うるさい安物キャスター)>
<HINOMOTO Lisof SILENT RUNとの比較>
「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」とほぼ同じ静音性。
音の種類がちょっと違う程度で、体感的には変わらない。
この価格帯の独自キャスターとしては最高級の静音性です。
8、キャスターストッパー
↑解除状態
↑ロック状態
足で踏むタイプのキャスターストッパーを搭載。
安物によくある足で踏むキャスターストッパー。
下げるとロックし、上げると解除。
レバーが小さいので踏みにくいのと、
かなり下げないといけないので操作性は悪い。
足で一発でロックするには慣れが必要です。
ロック性能は問題無し。
ちゃんと使えます。
9、荷物をかけるフック
底鋲の上段が荷物をかけるフックになっている。
横置き用の底鋲の上段2個はフックにもなっています。
最近のスーツケースでは標準的な仕様です。
Sサイズのスーツケースは高さが低いので、
大きなレジ袋はかけることができません。
コンビニで貰える一番小さいレジ袋がちょうどいい。
Sサイズを貰うようにしよう。
10、ドリンクホルダー
背面に収納式のドリンクホルダーを搭載。
ボタンを押すと開くので楽。コーヒーカップもほぼ対応。
ワンタッチボタンで出てくる収納式ドリンクホルダーです。
このタイプは現時点では珍しくほとんど見かけない。
かなり性能等は良く、高級仕様と言える。
内部への出っ張りは大き目で容量は減る。
他社の手で引っ張るタイプと比べ、面積は大きめ。
内部にも出っ張るのでスリムでは無いです。
重量も重ためになるだろう。
その分ホルダーが大きく安定感も良いので、
ほぼ全サイズのコーヒーカップに対応しているのが良い点。
重みでたわむこともなく、安定感も固定力もとても良い。
ペットボトルは余裕で入る。
重みでたわみ傾くことも無い。
この他のタイプはほぼ傾くので、これは最高に良い。
650mmの大きなペットボトルも置けました。
セブンイレブンのRサイズのホットコーヒーカップを入れた図です。
ちゃんと置けますが、上端がボタン機構部に引っかかりやすいので注意。
これはLサイズ。
問題無く置けますが、同じくボタン部引っかかるので注意。
これはセブンイレブンのRサイズのアイスコーヒーカップ。
同上。
これはローソンのSサイズのアイスコーヒーカップ。
上が大きいので少し傾きますが、問題無く置けた。
Mサイズ。
問題無し。
メガサイズ。
ちょっと不安定ですが問題無し。
これはスタバのトールサイズ。
綺麗に置けた。
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ほぼ全サイズのコーヒーカップを置けるのは凄い。
他のドリンクホルダーは置けないものが多く、ほぼペットボトル用です。
これは完全にコーヒーカップ対応しているので素晴らしい。
11、USBポート
Type-AとCのUSBポートを搭載
キャリーハンドル収納部にUSBポートがあります。
内部にモバイルバッテリーを繋げて充電することができる。
バッグだと重すぎる巨大なバッテリーも持ち運びできるので地味に便利。
内装部にモバイルバッテリーを入れるポケットがあります。
こちらのケーブルもType-AとC対応で良い。
安物はType-Aだけのものが多い。
なお、別にこのポケットに入れる必要は無い。
ケーブルはわりと自由に動かせます。
12、スマホスタンド
キャリーハンドル部にスマホスタンドを搭載。
裏面を引き出すとスマホスタンドになります。
角度調整などは不可。ただ置けるだけ。
便利ですが、持ち手が太くなるのが難点。
カバー付きのスマホは置けない。
幅がかなり狭く、カバー付きだと全く入らない。
下面スライド型のスマホスタンドはだいたい置けません。
クルッと回転するタイプなら置ける。
スマホスタンドはスマホを落としやすいので気を付けて下さい。
これで画面割った人多いと思う。
13、容量拡張機能
約3cmの容量拡張機能を搭載。
側面中央に容量拡張用のファスナーがあります。
これを広げると容量拡張ができる。
グルっと一周開けた状態。
この開いた幅の分、容量が増える仕組みです。
拡張部の生地は厚くて丈夫。
防水性は無いので、雨の日は要注意。
拡張幅は実測値で約3cm。
商品ページでは5cmと記載ありますが、間違いとしか言いようがない。
自分の測定した感じでは3cm程度。
拡張率は20%と記載ありますが、少な目になるだろう。
拡張幅3cmはスーツケースの容量拡張としては最低クラス。
他社品だと5cm以上もあったりします。
14、内装をレビュー
片面開き仕様。
仕切りは無いシンプルな内装です。
上の図は立てて開けていますが、基本的には横に倒して開けます。
本体の中央は開かず、前面のみ開く片面開き仕様。
内装仕様はほぼ最低限で安っぽい。
生地は薄いカサカサポリエステル。
シワが多く見た目が悪いです。
写真で説明していきます。
このように狭いスペースで開けられるので便利。
大きなものを入れることができ、障害物も少ないので容量も多い。
蓋はバンドで開き具合を調節できます。
バンドの固定は引っ掛ける方式。
基本的に外すことは無いだろう。
開き具合は下にある金具で調節を。
パネル側にポケットが2つ。
おしゃれなデザインの引手。
掴みやすくて良い。
メッシュは細く中身がよく見えるタイプ。
安物とも言える。
ポケットの開き具合はかなり小さい。
自分の場合はこのくらいしか入らない。
強引に突っ込めば入りますが、壊れそうで怖い。
使用感はとても悪い。
左側は防水仕様のビニールポケット。
濡れたもの、濡れる可能性があるものを入れるのに便利。
続いてはメイン収納側の説明を。
メイン収納にはポケットが一つ。
USBポートのところで説明したモバイルバッテリーを入れるポケットです。
再掲。
普通なポケットなので何を入れてもいい。
めくった裏側はこんな感じ。
そこにあるファスナーはメンテナンス用で、基本は動かしません。
荷物固定用のXバンド。
普通なポリエステル製です。
バックルもごく普通なもの。
底面はキャリーバー等があるので凸凹です。
カサカサな薄いポリエステル生地なので、シワが多く見た目は最悪。
手前側の側面。
ポケットなどはありません。
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内装のレビューは以上です。
片面開き仕様としての最低限な内装。
ポケットは少なく、小さめなので使いにくい。
内装生地もいまいちで安物感がとても強い。
15、内部をレビュー
内装レビューの続き。
メンテナンスファスナーを開けて内部を見ていきます。
メンテナンスファスナーをグルッと一周させると生地が分離します。
Xバンドは縫って固定してあるので、生地を完全に外すことは不可能です。
生地は4角をマジックテープで固定されています。
トップハンドルとキャリーハンドルの固定部です。
上の黒いバーがトップハンドル固定部。
小さめで最低限な補強材ですが問題は無いだろう。
安物は補強材が無いものが多いですが、
これはスリムハンドルなので補強材は必須。
下の黒い部分がキャリーハンドル部。
薄めで柔らかく、かなり安っぽい仕様です。
応力の分散があまりできていない。
下面と左右は本体に付いていない。
有り合わせの部材を使っただけのように見える。
キャリーバーの根本固定部です。
大きめの部材という点はまずまず良い。
キャリーバー挿入部も内側のリブでほぼピッタリ。
キャスターの固定部です。
補強材は無く本体に直接ビス止めといまいち。
成型での補強はされていますが、安物らしく最低限。
手前の角は強い応力で白化している。
ちょっと不安。
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内部のレビューは以上です。
このスーツケースは1万円程度しますが、
5000円前後のスーツケースと変わらない内部仕様。
どれも良いとは言えず、強度が良いとは思えない。
よくある安物スーツケースと思っていい。
16、実際に荷物を入れてみた
片面開きなので大容量。
200匁のフェイスタオルをほぼ限界まで入れてみた結果60枚入りました。
一般的な機内持ち込みサイズだと55枚程度なので、60枚は多い(ほぼ最高)。
片面開き仕様はだいたい60枚入ります。
ただ、他のスーツケースより若干小さいよう感じました。
他は余裕で60枚入るのに対し、これはギリギリ。
大口径キャスターなどで本体サイズがやや小さいためだろう。
17、実際に転がして使ってみた感想
キャスターがとても静かで素晴らしい。
キャスターの静音性は抜群。
サスペンションもあるので振動も少な目で快適。
安物スーツケースとしては最高級の走行性だと感じました。
キャリーハンドルもぐらつきが小さく、丸っこくて持ちやすい。
トップハンドルもクッション性、握り心地抜群。
本当使用感はとても良いです。
高さ調節やスマホスタンドの誤作動も無い。
変な音も違和感も無い。
ストッパーもしっかり効くので文句なし。
普通におすすめできる使用感だった。
重量は実測値3.14kgと普通。
商品ページには3.5kgと記載ありましたが、この仕様で3.5kgはおかしい。
この実測値がおおよそ正しい重量だろう。
機内持ち込みサイズとしては標準的な重量です。
軽いとは言えないスーツケースなので、
軽さを求める人は止めておこう。
18、Vivcon L555の検証・レビューまとめ
項目 | 評価 | コメント |
容量 | ◎ | 片面開きなので大容量 |
重量 | △ | 実測値3.14kgで普通 |
包装 | 〇 | 固定材有。専用のカバー |
キャリーハンドル | 〇 | ぐらつき小さめ。3段階調節 |
トップハンドル | ◎ | クッション有り。持ち心地抜群。 |
ファスナー | 〇 | 動きはスムーズ |
TSAロック | 〇 | ダイヤル式。007型 |
キャスター | ◎ | 静音性は抜群。サスペンション付き |
内装 | △ | ポケットが少なめ。安い生地 |
仕上げ | 〇 | 縫製等全体的に綺麗 |
良い点(Good)
- ✔片面開き仕様なので出し入れが楽
- ✔機内持ち込みサイズとしてはほぼ最大容量
- ✔キャスターの静音性が抜群。口径も56mmと大きい
- ✔簡易的なサスペンションも搭載
- ✔足で踏むキャスターストッパーを搭載
- ✔キャリーハンドルのぐらつきが小さめ
- ✔トップハンドルの持ち心地がとても良い
- ✔使い勝手が良いドリンクホルダー搭載
- ✔荷物フックを搭載
- ✔USBポートを搭載
- ✔スマホスタンドを搭載
- ✔容量拡張機能を搭載
- ✔専用のPVCカバーが付属
悪い点(Bad)
- ✕内装仕様がかなり安っぽい
- ✕容量拡張が約3cmと小さい
ストッパー付きの安い片面開きスーツケースとして優秀。
多機能なため約1万円と少し高めですが、
静音性抜群でストッパー付きは素晴らしい。
片面開き&ストッパー搭載を選ぶなら十分選択肢に入る。
スーツケース自体は5000円前後の安物仕様。
機能性で1万円程度になっていると考えていい。
優秀ではありますが、よくある中国メーカーの安物スーツケースです。
そのため強度・耐久性はちょっと心配ですが、
壊れさえしなければとても優秀で素晴らしいスーツケース。
「強くおすすめできるか?」となると微妙ではある。
1万円後半で高品質な日本メーカー品を買える。
個人的にはもうちょっとお金を出してそれを買ってほしいとは思う。
このVivcon L555はセールで1万円を切ることがあるので、その時はコスパ抜群。
1万円以下のストッパー付きの安い片面開きが欲しいならおすすめできます