HaNT ココント レビュー!評判のスーツケースをプロが検証


HaNT ココント
ココントはエースの女性向けブランド「HaNT」の2025年2月モデルです。
正統派のモデルチェンジで今後の主力となるだろうシリーズ。
結論として、これはおすすめできる。
購入したのはSサイズのトランクタイプ(品番:05511)。
カラーは「オリーブ・グレージュ」です。
<これ>
プロとして完璧にレビューしたい。
<HaNTの解説はこちら>
・スーツケース「HaNT」の話(種類と違い、良い点・悪い点など)

・当サイト代表のスーツケースガチ勢
1、外装箱レビュー
一目でエースとわかるダンボールデザイン。
二重になっている厚く丈夫なダンボールで安心。
汚れも少なくて気持ちが良い。
2万円以上のエースのスーツケースには「リサイクルチケット」が付属しています。
どんなスーツケースでも発送したらリサイクルしてくれるというもの。
ただし送料負担なので2000円以上かかる。送る人はいるのだろうか。
2、包装レビュー
蓋のように開く構造でカッターも安心。
3重になることで固定材の役割も兼ねています。
クレスタ2も同じだったので、エースの共通仕様だと思います。
本体は不織布のカバー。
保管に便利。プレゼントとしてもいける。
付属のタグは1枚。
HaNTは中国製(自社工場)です。
エースはプロテカ以外はほぼ中国製。
キャリーハンドル収納部にラベルが1枚。
日本メーカーはこういうクレーム対策が大好きです。
ラベルは簡単に剥がれます。
長期間付けっぱなしだと剥がれなくなるので、すぐ剥がすことを推奨。
3、外観レビュー
HaNTらしいデザイン。
「オリーブ・グレージュ」カラーが落ち着いていて好き。
HaNTと言えば斜めのリブ。
公式には「なみなみななめリブ」と言うようです。
見た目だけではなく、本体全体にあるので強度も良くなる。
ファスナー部の歪みもほとんど無く、さすがは高級品の外観。
各パーツの色合いもほぼ合っています。
おしゃれな見た目で高級感あるスーツケースは素晴らしい。
ココントはロゴが「蜂」になりました。
人気のマインは「蜂」で、アワーズなどは「HaNT」ロゴでした。
マインの後継機としての意味合いも強いのだと思います。
「トランクタイプ(トールモデル)」なので太い縦長の形状。
機内持ち込みサイズは各辺の制限があるため、
ただ横幅が小さくなっています(3辺合計113cmと小さい)。
寸法測定結果
高さ (cm) |
横 (cm) |
奥行 (cm) |
3辺 の和 |
|
表記 | 55 | 33 | 25 | 113 |
実測値 | 55.0 | 33.3 | 25.3 | 113.6 |
奥行が25.3cmと機内持ち込み制限を3mmオーバー。
この程度は許されると思いますが、厳密には機内持ち込みNG。
どう測定しても25.0cmにはなりませんでした(曲尺×2での測定なのでほぼ正確)。
エースは「1cm未満は切り上げ」として表記するので、本来は24.1cm~25.0cmであるはず。
個体差でたまたまかもしれないけど、ここは懸念点ではある。
3mmでNGと言われることはほぼ無いと思いますが、運次第。
最悪はバンドで押さえたら縮むので機内持ち込みできるのできる。
4、ファスナー&TSAロックの操作感
TSAロックはダイヤル式。最新の「008型」。
普通なダイヤル式です。
この部分の本体は柔らかいのでちょっと回しにくく、高級感は無い。
スライダーを差し込んでのロック・レバーでの解除はスムーズ。
高さもぴったり合っています。
フロント部のファスナーはコンシール型。
エレメント部が見えないので見た目が良い。
ファスナー自体は一重の普通なタイプ。
動かすのは軽くてスムーズです。
5、キャリーハンドルの操作感
キャリーハンドルは4段階調節。
ぐらつき(遊び)は小さめで良い。
少し高いエースの標準仕様である4段階調節。
一般的には3段階なので良い仕様です。
ぐらつきも小さくて操作感は良い。
持ち手部はサラサラとした素材。
女性向けなので持ち手は小さめ。
中央部が丸っこくなっているので握り心地が良い。
エースらしい良いキャリーハンドルです。
6、トップハンドルの持ち心地
指を入れやすく持ちやすい。
初期状態で中央部が膨らんでいるので指を入れやすい。
爪が長い女性でも使いやすいようにしたデザインだろう。
ハンドルも本体もすべすべしているので、ストレスなく入れられる。
トップハンドル自体は樹脂の板でクッションは無い。
ただ柔らかめなのでグリップ感はとても良いです。
この手のタイプだと一番好きな持ち心地。
シンプルながら100点評価のトップハンドルです。
サイドハンドルも同じ仕様です。
7、キャスターの操作性・静音性
キャスターは「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」を搭載。
日本が誇るキャスターメーカー「日乃本錠前(HINOMOTO)」の超静音キャスターです。
これは本当に静かで操作性も耐久性も抜群。
スーツケースにおける最高級のキャスターと考えていい。
口径は50.5mmで標準的なサイズ。
静音性については下の動画を見てください。
<HaNT ココントキャスター静音性確認動画>
<比較用(うるさい安物キャスター)>
安物キャスターと比べると圧倒的な静音性。
もうこんなうるさいスーツケースは使えなくなります。
<アスファルトでの比較(vS無印良品)>
まずまずな静音性である無印良品のスーツケースと比較しても、
HaNTココントは明らかに静音性が良い。
「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」は素晴らしい。
8、キャスターストッパー
ワンタッチ式のキャスターストッパーを搭載。
キャリーハンドル根本にあるので使いやすい。
レバー動作も軽くてストレスが無い。
スーツケースにおける最高のキャスターストッパーと言えます。
<キャスターストッパー使い方説明動画>
ロックも軽いが、解除はもっと軽い。
戻すのは指でちょっと押すだけでいい。
HINOMOTO製キャスターストッパー全般の良い点です。
「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」とセットになっているタイプで、
実績は十分あり信頼性抜群。自分も壊れたことが無い。
9、容量拡張機能
本体中央にあるファスナーが容量拡張用です。
広がった分奥行が増える仕組み。
拡張幅は約4.5cmと大きい。
商品ページでは「25/30」と記載ありましたが、自分の測定結果では4.5cm。
切り上げで30cmということだと思います。
一般的な容量拡張は3cm~4cmが多いので、ココントの拡張率は大きめ。
このサイズの場合は容量が8L増えます。約21%の増加。
ファスナーは軽くてスムーズ。
拡張部の生地も厚くて丈夫。
品質等は問題無い。
10、内装をレビュー
フロントポケット&片面開き仕様。
生地の質が素晴らしく良い。
HaNTココントはちょっと変わった内装仕様です。
フロントポケット部のファスナーは360度自由に開閉でき、自由な形で開けられる。
フロントポケットとして使う場合は縦開き、メイン収納を使う場合は横開き。
内装生地のデザインは本体カラーによって違います。
このデザインは「オリーブ・グレージュ」のもの。
写真で見た時はどうかなと思いましたが、実物はとても良かった。
このあたり写真で説明していきます。
左右までファスナーを開けるとフロントポケットとして使えます。
側面のカバーが片側しかないのが特徴的。
開閉角度はかなり小さい。
狭いのでフロントポケットとしては使いにくいです。
上から見るとこんな感じ。
正面から見た図。
蓋側のポケットに11インチiPad、雑誌、A4クリアファイルを入れた図です。
本体側にはポケットがないので、基本的には蓋のポケットに入れます。
このように横向けに開けることもできます。
蓋のポケットは合計で5個ある。
※詳細は後述
フロントのファスナーは360度自由に開閉できるので、
全開するとパネルが落ちる形になる。
ファスナーに負荷がかかるので止めたほうがいい。
メイン収納を使う際は横に倒してから開けます。
よくある片面開きの仕様です。
縦向きでも横向きでも使えるポケットが素晴らしい。
後ろが大きなポケットで、手前に小さなポケットが二つ&メッシュポケット。
HaNTのロゴの形をしたファスナーの引手。
可愛いですが使いにくい。
マットシルバーのスライダーは綺麗。
ほんと可愛いけど引きにくい。
メッシュポケットはちょっとした小物を入れるのに便利。
小さなポケットはポケットティッシュなどにちょうどいい。
大きなポケットはiPadや書類などを入れるのに最適。
13インチくらいのPCも一応は入りますが、強度は不安。
クッション性はありません。
パネルの開き具合はこのバンドで調節できます。
バックルを外すと完全に開く。
合わせ面のカバーはフロントポケットのカバーとしても使うので変わった形状。
これが邪魔で下にあるファスナーを開けにくいのが悪い点。
このあたりの縫製が悪かった。
こんな感じでカバーをめくってファスナーを開けないといけない。
ここは改良要かなと思います。
ボタンとマジックテープを剥がすと外れます。
パネルを縦向きに大きく開けたい場合は外しますが、
基本的には外す必要性は無い。
メイン収納部の仕切り。
邪魔にならないところにHaNTのタグ。
「HAVE A NICE TIME(楽しい時間を)」の文字。
仕切りを開けると説明書とおまけのミニバッグがあった。
仕切りを外すとこんな感じ。
仕切りはこのように丸めることもできます。
仕切りを丸めてベルトのボタンを止めるだけ。
簡単なのでストレスは無い。
メイン収納はXバンドでも固定が可能。
中間の位置にあるので、中仕切り的な使い方にしてもいい。
バックルは普通な仕様。
ベルトは高級感ある素材でとても良い。
Xバンドはこのように外にかけられるので邪魔にならない。
底面はキャリーバーとキャスターストッパー機構部があるので凸凹です。
生地の質はとても厚くて高品質。
高級ポーチのような質感です。
この部分の記事のたるみは容量拡張部のため。
拡張すると伸びます。
ところどころ縫製が雑な部分があるのが残念。
当然ながらプロテカのような高級感は無い。
600mmペットボトルを立てて入れた図です。
非拡張状態でもギリギリ入る高さ。
横向きに入れてのサイズ感説明。
底面は凸凹なので、上手く入れる必要有り。
キャスターストッパーがあるので中央部も凸凹です。
内装のレビューは以上です。
内装はなかなかに良い。
生地の質はスーツケース最高級。
柄もおしゃれで見ていて楽しい。
ファスナーの引手は紐付きとかで実用性重視だったら良かった。
メイン収納の仕切りがちょっと開けにくいのが難点。
パネル部のポケットがとても使いやすいのは良い点。
雑誌とかも入れられる大きさのポケットは片面開きでは珍しい。
立てた状態でも使えるので、実用性は最高です。
11、内部をレビュー
トップハンドルとキャリーハンドルの固定部です。
上の黒いバーがトップハンドルの補強材。
厚みがあり、固定のねじも六角でしっかりしていて良い。
周囲にリブがあることから、このサイズでも補強は十分だろう。
下の黒い大きな部品がキャリーハンドル固定&補強部。
本体形状に合わせた肉厚な部材で良い。
肉盗みでの軽量化も素晴らしい。
右上にある白いマジックテープは生地の固定用です。
左上にもありましたが剥がれてしまった。
これはキャスターストッパーの機構部です。
HINOMOTO製のワンタッチタイプの共通部材。
これもあるのでキャスターは「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」とわかる。
中央の黒い部品がキャリーバーの固定部です。
大きく肉盗みした軽量タイプですが、肉厚なので強度は良いだろう。
ここはそう重要ではないので高級品でもこんなものです。
キャスター固定部です。
補強材は無く本体に直接ビス止めと良くはない。
しかし本体成型にてRを大きくするなど補強しているので問題ないだろう。
エースは1万円台のスーツケースでも補強材を使うのが普通なので、
HaNTココントはおそらく軽量化にこだわった結果だと思います。
そのため最高とは言えない。
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内部レビューは以上です。
軽量化にこだわった仕様ですが、各補強材の質は良い。
キャスターの補強材が無いのだけがちょっと気になる点。
エースなので大丈夫だろう。
12、実際に荷物を詰めてみた結果
片面開きなのでたくさん入る!
トランクタイプなのでやはり横幅は小さい。
200匁のフェイスタオルをほぼ限界まで入れてみた結果、60枚入りました。
機内持ち込みサイズは小さなものは50枚、大きなものは60枚入るので、60枚は最高レベル。
片面開きタイプはほぼ60枚入るので、片面開きとしては普通ではある。
横幅が小さい形状なので、フェイスタオルは入れにくかった。
写真の通り綺麗に入らない。一般的な形状だと綺麗に入ります。
Mサイズのトラベルポーチなんかは入れにくいだろう。
仕切りを閉めるとこんな感じ。
まだ余裕があるのでポケットも使えます。
もちろん容量拡張すると後20枚は入る。
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HaNTココントの容量は抜群で問題無し。
とはいえ、横幅33cmと小さいのは注意点ではある。
3辺合計113cmなので、片面開きとしては気持ち小さめです。
容量は最強では無い。
13、付属のミニバッグを使ってみた
内装デザインと同じミニバッグが付属しています。
スーツケースに使っている生地と全く同じで質が良い。
取り出すとこんな感じで可愛い。
ミニバッグの本体は中身です。
外側はミニバッグ収納ケース。
底面が固めのミニバッグ。
キャリーバーに入れて固定できます。
とても可愛い。
バッグというより小物入れです。
ちょっとしたものを入れられて便利。
トップハンドルを持てないので、付けたまま移動はしにくい。
600mmのペットボトルも入れられる。
なんとか落ちず、このまま転がすことができました。
ミニバッグはとても便利で気に入りました。
羽田空港でこれ付けてうろうろしたい。
14、実際に転がして使ってみた感想
良いスーツケースだなと使っていて思う。
キャスターはいつもの「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」なので静音性抜群。
キャスターストッパーもいつものHINOMOTO製でバッチリ。
やっぱりこの二つが揃うと快適です。
キャリーハンドルは持ち手がすべすべなのが気持ち良い。
これ握ってるとHaNTやなぁと感じます。
ぐらつき(遊び)も小さく、転がしていてストレスは無い。
トップハンドルも指をとても入れやすい。
ここまで入れやすいのは珍しく、スーツケース最高レベル。
ネイルにこだわっている女性が作ってるなぁと感じます。
気になる点は一つだけあり、
容量拡張ファスナーの取っ手が動いて当たってキンキンうるさいこと。
ここだけゴム的なものを被せるなどしたいなと思いました。
その他、変な音や違和感も無し。
重量も約3.0kgと重たくない。
フロントポケット&容量拡張機能有りだと、普通は3.3kg程度にはなる。
それが3.0kgというのはとても軽いです。
軽量化した内部構造など、エースの努力の賜物だろう。
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容量も多いのでHaNTココントはスーツケースとして最高レベル。
高級感もあり、素晴らしいスーツケースだなと使っていて感じます。
メッチャ気に入りました。このカラー、男性でもいいと思う。
15、HaNT ココントの検証・レビューまとめ
項目 | 評価 | コメント |
容量 | ◎ | 片面開きなので大容量 |
重量 | 〇 | 約3kgと軽め |
包装 | ◎ | 良いダンボール仕様&不織布カバー |
キャリーハンドル | 〇 | 4段階調節。ぐらつき小さめ |
トップハンドル | ◎ | 指をとても入れやすい |
ファスナー | 〇 | 動きは軽い。内装引手は使いにくい |
TSAロック | 〇 | 008型。問題無し |
キャスター | ◎ | HINOMOTO Lisof SILENT RUN |
内装 | ◎ | 高品質な生地。おしゃれな柄 |
仕上げ | 〇 | 縫製が雑な部分はあるが全体的には綺麗 |
良い点(Good)
- ✔片面開き仕様で大容量
- ✔約4.5cmの大きな容量拡張機能
- ✔重量が約3.0kgと軽い
- ✔ほぼ自由に開くフロントパネル
- ✔パネル側にポケットが豊富で使いやすい
- ✔4段階調節、ぐらつき小さいキャリーハンドル
- ✔キャスターの静音性がとても良い
- ✔ワンタッチ式のキャスターロック
- ✔指を入れやすく持ちやすいトップハンドル
- ✔高品質でおしゃれな内装生地
- ✔便利で可愛いミニバッグが付属
悪い点(Bad)
- ✕内装のファスナーの引手が持ちにくい
- ✕内部構造が軽量化のため高級品にしてはやや劣る
- ✕奥行が25.3cmとわずかに25.0cmを超える
HaNTココントは最高級のおしゃれスーツケース。
元々HaNTは女性向けで可愛いデザインでありながら高性能・高機能。
それをココントはさらにブラッシュアップして良くなっています。
軽くなったのもとても良い点。
ココントはトランクタイプとスタンダードタイプがありますが、
片面開き仕様のトランクタイプが個人的にはおすすめです。
仕分けしての細かい収納性は劣りますが、容量も多く使いやすい。
電車やバスの椅子の上でも荷物の出し入れができるのは本当に便利。
一番気に入ったのはフロントパネルにあるポケット。
細かいものを分けて入れやすく、かつ全面の大きなポケットには何でも入る。
片面開きタイプで一番良いポケット仕様だと思います。
キャスターも静音でストッパーもワンタッチで文句なし。
トップハンドルの指の入れやすさは最高。
デザインもおしゃれで全てが優秀なスーツケースです。
懸念点はやはり奥行が25.3cmあったこと。
これは個体差でたまたまの可能性も高いですが、
厳しい検査員だと機内持ち込みさせてくれない可能性はある。
まぁでも3mmはほぼ大丈夫と思います。
HaNTココントは優秀でおすすめできるスーツケースです。
ちょっと高いですが、これは買う価値がある。
カラーをかなり迷ったのですが、「オリーブ・グレージュ」を買って良かった。
今後の旅行で使いたい。