TIERRAL（ティエラル） TOMARU 2.0 レビュー！評判のスーツケースをプロが検証

「TIERRAL TOMARU 2.0 Mサイズ」をレビュー！

日本のメーカー「伊藤忠リーテイルリンク」のブランド「TIERRAL」。
ストッパー付きの「TOMARU」シリーズが「2.0」にリニューアル。
キャスターがHINOMOTOになり良くなったので買ってみた。

購入したのはMサイズ、カラーは「ブラック」です。
プロとして完璧にレビューしたい。

＜これ＞

[TIERRAL] スーツケース Mサイズ ブックオープン キャリーケース ストッパー 3～5泊 トマル TOMARU2.0 TSA キャリーバッグ 53-61L 4.0kg 容量拡張 軽量 大容量 ブランド (BLACK)

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Reviewer：パルどう＠Expert
・当サイト代表のスーツケースガチ勢

＜関連＞

・TIERRAL(ティエラル)のスーツケースの話（どこの国・会社？良い点・悪い点等）

１、外装箱レビュー

前作と変わらないティエラルのデザイン。
2重の質の良いダンボールで問題無し。

２、包装レビュー

普通なダンボールですが、カッター傷防止のダンボール板が貼られている。
固定材は無し。本体はビニールカバーのみ。

ビニールカバーを外した状態。
保護材やラベル等は無し。

店頭販売用のPOP表面。
キャスターストッパーのアピール。

POP裏面。
機能性の説明。

タグの表面。

タグ裏面。
スペック等の記載。中国製。
QRコードは公式通販の「マルチバース」のティエラルのページ。

３、外観レビュー

丸っこくて可愛いデザイン。
塗装はマットになった。

デザインは前作のTOMARUとほぼ同じ。
前作はツヤツヤな塗装でペットボトル感が強かったですが、
今作はマットになり普通なスーツケースと大差ない。

容量拡張のファスナーがコンシール型で見た目が良い。
背面に底足があるのも良い点。倒しても本体に傷が付かない。
デザインはなかなか優秀です。

本体形状は横幅が小さく奥行が大きい、太い形状。

寸法測定結果

3辺の和139.9cmでやや大きめのMサイズの大きさ。

奥行がちょっと小さめでしたが、
ほぼ表記通りの寸法で問題無し。

４、ファスナー＆TSAロックの操作感

TSAロックはダイヤル式。一つ前の「007」型。

TSAロックはごく普通なダイヤル仕様。
「TSA007」と書かれている部分を右に動かすと解除できます。
ロックもファスナーの引手を差し込むだけ。

レバーが薄いので動かしにくいのが悪い点。
強く押しながら動かすか、爪で動かすような感じになる。
ダイヤルは回しやすくて良い。

ファスナーは二重になっているセキュリティファスナー仕様。

ファスナーはおそらくYKKのセキュリティジッパー（RCW：不正開閉防止ファスナー）。
二重なのでこじ開けにくくなっています。
そのため動きはやや重たくなりますが、これは比較的軽めで良かった。

前作は普通なジッパーだったので、ここは良くなった点。

５、キャリーハンドルの操作感

↑最大に伸ばした状態

↑最小の状態

キャリーハンドルは3段階調節。
ぐらつき（遊び）はほぼ無い。

キャリーハンドルは一般的な3段階調節。
いつも通り上にあるボタンを押しての上げ下げです。
高さ調節幅は均等。誤作動も無く操作性に問題無し。

ぐらつき（遊び）はかなり小さく、ほぼ無いと言えるレベル。
伸縮もほぼ遊びは無く、全くぶれず高級感がある。
ただ、機械油？を塗っており、バーにべっとり付いていたのは最悪だった。

持ち手部はやや細め。
丸っこくて持ちやすく問題無し。

６、トップハンドルの持ち心地

クッションは無いシンプルな樹脂ハンドル。
膨らみは大きいが、小指が下の固定部材に当たって痛い。

シンプルな樹脂の板のトップハンドル。
指を入れやすく大きく膨らむのは良いのですが、
下の固定部材が大きくかつ出っ張っていて、小指が当たって痛い。

こんな感じで毎回痛い。

前作よりも大きくなっていて、明らかに当たりやすくなっている。
持つたびに小指が当たって痛いので最悪のトップハンドル。
角も尖っているので、これは設計ミスだと思う。

たまに小指を挟んでしまいとても痛い。
こんなことスーツケースで初めてです。
前作は小さく角も丸くて問題無かった。

これはもうおすすめできない。

サイドハンドルも同じ仕様です。

７、キャスターの操作性・静音性

キャスターは「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」を搭載。
口径は約49.6mmとやや小さめ。

日本が誇るキャスターメーカー「日乃本錠前（HINOMOTO）」の超静音キャスターです。
これは本当に静かで操作性も耐久性も抜群。
口径は49.6mmと最小のタイプなのが残念。

＜TIERRAL TOMARU 2.0 キャスター静音性確認動画＞

いつもの静音性で問題無し。

＜比較用（うるさい安物キャスター）＞

安物キャスターと比べると圧倒的な静音性。
もうこんなうるさいやつは使えなくなる。

８、キャスターストッパー

↑解除状態

↑ロック状態

ワンタッチ式のキャスターストッパーを搭載。

キャリーハンドル根本にキャスターストッパー操作部があります。
レバーを右にするとロック。解除は左に戻すだけ。
レバー動作は軽くてストレスが無い。そして使いやすい。
スーツケースにおける最高のキャスターストッパーと言える。

このストッパーもHINOMOTO製で、「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」とセットになっています。
実績は十分あり信頼性抜群。自分も壊れたことが無い。

９、荷物をかけるフック

底鋲の上側2個が荷物をかけるフックにもなっています。

よくある底鋲の有効活用。
最近では当たり前の仕様になりました。
レジ袋など、細いものをかけることができます。

Sサイズレジ袋をかけた図。
スーツケースの高さがないので、このくらいがちょうどいい。

Mサイズのレジ袋はギリギリ。
Lサイズは無理です。

１０、容量拡張機能

約3cmの容量拡張機能を搭載。

側面中央に容量拡張用のファスナーがあります。
これを広げると容量拡張ができる。

グルっと一周開けた状態。
この開いた幅の分、容量が増える仕組みです。

拡張部の生地も本体の色と合わせているので見た目が良い。
電車の連結のようになるので、ぐらぐらするのが容量拡張の悪い点です。
拡張した際はできるだけ荷物を満杯に入れてください。

拡張部の生地は厚くて丈夫。

拡張幅は測定すると約2.5cmでした。
容量拡張としては最低クラス。さすがに小さい。

１１、内装をレビュー

片面開き仕様。
仕切りは無いシンプルな内装です。

上の写真は立てて開けていますが、基本的には倒して開けます。
本体中央は開かず、片面が蓋のように開きます。
狭いところでも荷物の出し入れをできるので便利。

仕切りは無し。
蓋にポケットが3つあり、大きいのが特徴であり良い点。
Xバンドが使いづらいのが悪い点。

写真で説明していきます。

ダークグレーで統一された内装。
前作はベージュで明るい感じでした。

斜めから見るとこんな感じ。

左右にあるバンドで蓋の開き具合を調節できます。

パネルにはポケットが3つ。

大きく膨らむので、大きなものを入れられる。

シンプルな引手。

ポケットの開き具合。

大きなポケットに11インチのiPadが入る。
13インチのノートPC等は無理そう。
左のポケットにペットボトルは入らない。

収納部のポケットはこれだけ。

薄いポケットです。

収納部にXバンド。

少しおしゃれなバックル。
このタイプは押しにくいので自分は嫌い。

底面はキャリーバーとストッパーがあるので凸凹です。

650mmのペットボトルも立てて余裕で入れられる。

こちら側のバンドが短すぎるのが最悪。

左側のバンドはこれ以上伸びません。
そのため荷物を入れる時にいちいち気にしないといけない。
とても入れにくくストレス。

※前作も同じでしたが、こんなものかと気にしていませんでした。
片面開きタイプを多く使ってきた今に評価するとダメです。

１２、実際に荷物を入れてみた

片側のバンドが短いのでほんとストレス…

荷物を入れる度にこちら側のバンドを上げないといけない。
どんどん埋もれてきて面倒になってくる。

バックルを固定するのも外すのも大変。

また、ベルトとバックルが斜めになっているので、長さ調節してもすぐ緩む。
ギュッとしばって固定するのがとても難しい。
この手のバックルは水平にしないとダメです。

少し軽めに詰めた状態。
ポケットにたくさん入れるならこの程度の量がいい。
メンズシャツがちょうど入るサイズ感。

－－

片面開きなので容量は多い。
しかしバンドで圧縮しにくいので、他社品よりは劣る印象。
やはり中央で押しながらバックルを閉める仕様が良い。

１３、内部をレビュー

トップハンドルとキャリーハンドルの固定部です。

上のバーがトップハンドル固定部。
厚みがあり幅広なので良いですが、この価格帯では普通。
特に優秀ではない。

下の黒い部材がキャリーハンドル部。
中央の四角い部材がキャスターストッパー機構部です。
固定材は本体の形状に合っていて丁寧な作り。
底面までしっかり付いて応力分散していて良い。

サイドハンドルも同じ仕様。

これは容量拡張部の生地。
ほんと短い。

中央がキャリーバーの固定部。

こちらも本体・バーの形状ぴったりで良い。
問題無いとは思いますが、表面がやたら荒れているのは気になる。

キャスターの固定部です。
大きめの補強材の上からねじ止めされていて良い。
ただ、外周があまり本体形状に合っておらず浮いているのがマイナス点。
成型での補強もあるため、強度は問題無いとは思う。

－－

内部のレビューは以上です。

2万円台のスーツケースとしては普通な仕様。
十分補強されているので問題無し。

１４、実際に転がして使ってみた感想

キャスターが静かで快適。
トップハンドルは小指が痛くて辛い。

いつもの「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」なので静音性は抜群。
口径はやや小さめですが、特に問題は感じなかった。
いつも通りの静音性です。

キャリーハンドルの使い心地は良いですが、
トップハンドルがどうしても小指が痛い。
気を付けて指先で持つと大丈夫ですが、ギュッと握るとダメ。

手の小さな女性や子供なら大丈夫なのかもしれないですが、
男性の自分はちょっと使えないトップハンドルです。
使っていて痛みを感じる製品はNG。

重量は4.3kgと少し重ため。

商品ページ記載は4.1kg、実測値4.3kgと重たかった。
4.1kgなら普通ですが、4.3kgならやや重たいレベルになる。
荷物を入れると誤差みたいなものではあるけども。

１５、TIERRAL TOMARU 2.0の検証・レビューまとめ

使用感がとても悪くおすすめできない。

トップハンドルは痛くて自分は使えない。
内装もバンドが短すぎてストレス。
自分には改善要なスーツケースに思える。

機能的にコスパは良いのですが、
これならもうちょっとお金を出して良いやつを買いたい。
おすすめはできないスーツケースです。