アジア・ラゲージ デカかるEdge 拡張タイプ レビュー!評判のスーツケースをプロが検証
「アジア・ラゲージ デカかるEdge 拡張タイプ」をレビュー!
「デカかる」はアジア・ラゲージの主力シリーズ。
3種類あり「拡張」がジッパーのスタンダードタイプです。
最近リニューアルしたのですが、間違って旧型(088)を買ってしまった…
新型(089)は内装が無地&抗菌仕様に変更されたのが主な違い。
トップハンドルの表面仕上げが変わったというのもある。
仕様・見た目はほぼ同じです。
購入したのはSサイズ、カラーは「ウェーブブラック」。
プロとして完璧にレビューしたい。
<内装リニューアル版はこれ>

・当サイト代表のスーツケースガチ勢
1、外装箱レビュー
いつものアジア・ラゲージのデザイン。
日本企業らしくて安心する。
ダンボールの質も良い。
2、包装レビュー
ダンボールは普通な構造。
上蓋があるのでカッターも安心。
本体は不織布のカバー。
不織布カバーはこんなデザインです。
リニューアル版では変わっているかもしれない。
最近買った新商品の「マックススマート」は無地でした。
カバーを外した状態。
本体正面にラベルと、タグが2枚。
メインファスナーの引手に保護ビニール。
ハンドルの保護は無し。
本体の中に店頭販売用のPOPもありました。
本体正面のラベルは機能性のアピール。
大きなタグの表面。
タグ裏面。
スペック等の記載。
中国製。
タグを開いた中面の上側。
機能性の説明。
オシャレなインナーデザインは不評だったのだろう。
リニューアルで無地のグレーになりました。
中面の下側はTSAロックの説明。
機内持ち込み対応アピールタグ。
ジッパータイプのスーツケースは詰めすぎると基準をオーバーしがち。
特に容量拡張機能搭載のものは注意。
引手の保護ビニール。
本体の中に店頭販売用のPOPがありました。
両面同じ内容。
3、外観レビュー
大きなコーナーパッドが特徴のデザイン。
カーボンのような柄も珍しい。
アジア・ラゲージと言えばこれ。
昔からある定番のシリーズで見慣れたデザインです。
ポリカーボネート製のコーナーパッドが独特。
本体全体の角を大きく落として強度を上げている。
これも今どきのスーツケースには珍しいデザイン。
その分容量はだいぶ少なくなっています。
塗装はややマット。
さらさらした表面で触り心地が良い。
形状は高さと奥行がやや小さく、横幅が大きい。
寸法測定結果
| 高さ (cm) |
横 (cm) |
奥行 (cm) |
3辺 の和 |
|
| 表記 | 53.5 | 37 | 24 | 114.5 |
| 実測値 | 53.7 | 37.4 | 23.5 | 114.6 |
3辺の和114.6cmで機内持ち込み可能。
ほぼ表記通りの寸法で問題無し。
荷物を詰め込むと5mmくらい大きくなるので、そこは要注意。
4、ファスナー&TSAロックの操作感
TSAロックはダイヤル式。一つ前の「007」型。
TSAロックはごく普通なダイヤル仕様。
「TSA007」と書かれている部分を動かすと解除できます。
ロックもファスナーの引手を差し込むだけ。使用に問題無し。
ファスナーは二重になっているセキュリティファスナー仕様。
ファスナーはおそらくYKKのセキュリティジッパー(RCW:不正開閉防止ファスナー)。
二重なのでこじ開けにくくなっています。
そのため動きは重たくなるのが悪い点。
スムーズさは全く、重たい引き心地です。
5、キャリーハンドルの操作感
↑最大に伸ばした状態
↑最小の状態
キャリーハンドルは5段階調節。
ぐらつき(遊び)は普通。
キャリーハンドルは一般的なものより多い5段階調節。
いつも通り上にあるボタンを押しての上げ下げです。
高さ調節幅は均等。誤作動も無く操作性に問題無し。
ぐらつき(遊び)は普通。小さくはない。
悪くは無いですが、この価格帯としては少し気になる。
持ち手部は丸っこくて持ち心地が良い。
しっかり握れて自分はなかなか好きです。
キャリーバーが中にかなり出っ張るのが悪い点。
本体背面からだいぶ離れた位置にあるため、
キャリーバーが収納面に大きく出っ張ってしまう。
ここまで大きいのはそうそう無い。
上手く隙間を埋めないと容量が減ります。
トラベルポーチも入れにくい。
6、トップハンドルの持ち心地
クッションの無い樹脂製のトップハンドル。
大きく膨れて持ちやすい。そして本革的な表面模様が珍しい。
普通な樹脂ハンドル。
クッションは無いですが、厚みがあるので持ち心地は良い。
しっかり握れて安定感がある。
背面側がすぐキャリーハンドル収納部で凹んでいるので、
親指を入れやすくサッと持てる。
これは意外と珍しく、このスーツケースの良い点です。
なお、荷物が空の状態ではあまり膨れないので本体に指が当たります。
荷物を入れて重たくなれば問題無い。
サイドハンドルも同じ仕様です。
7、キャスターの操作性・静音性
キャスターは「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」を搭載。
口径は約50.5mmと普通。
日本が誇るキャスターメーカー「日乃本錠前(HINOMOTO)」の超静音キャスターです。
これは本当に静かで操作性も耐久性も抜群。
口径は50.5mmと普通サイズ。後述しますが前輪はストッパー搭載。
しかし、静音ではあるのですが「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」にしてはややうるさい。
製品差で時々音が大きいものがあり、これがそれに当たる。
これはかなり残念。
<デカかるEdge 拡張タイプ キャスター静音性確認動画>
<他のHINOMOTO Lisof SILENT RUN搭載品との比較>
同じアジア・ラゲージの「マックススマート」との比較。
二日前に撮影したので条件等は同じ。
デカかるEdgeはちょっとうるさめです。
<比較用(うるさい安物キャスター)>
安物キャスターと比べると圧倒的な静音性。
デカかるEdgeうるさめではありますが、十分静音です。
8、キャスターストッパー
↑解除状態
↑ロック状態
ワンタッチ式のキャスターストッパーを搭載。
側面上部にキャスターストッパー操作部があります。
レバーを上にするとロック。解除は上のボタンを押すだけ。
レバー動作は軽くてストレスが無い。そして使いやすい。
スーツケースにおける最高のキャスターストッパーと言える。
このストッパーもHINOMOTO製で、「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」とセットになっています。
実績は十分あり信頼性抜群。自分も壊れたことが無い。
9、容量拡張機能
約4cmの容量拡張機能を搭載。
側面中央に容量拡張用のファスナーがあります。
これを広げると容量拡張ができる。
グルっと一周開けた状態。
この開いた幅の分、容量が増える仕組みです。
拡張部の生地も本体の色と合わせているので見た目が良い。
電車の連結のようになるので、ぐらぐらするのが容量拡張の悪い点です。
拡張した際はできるだけ荷物を満杯に入れてください。
拡張部の生地は厚くて丈夫。
拡張幅は測定すると約5cmと大きかった。
容量拡張としては最高クラス。
一部8cmとかいう化け物がありますが、それを除くと5cmがほぼ最高です。
10、内装をレビュー
両面仕切り仕様。
やや派手な生地が特徴的。
両面仕切り仕様。
両側にXバンドがあるため、仕切りを閉める必要は無い。
容量拡張は右側です。
そして癖のある生地デザイン。
生地は厚めで質が良いです。
写真で説明していきます。
飛行機が飛んでいる柄。
平成中期のデザイン感がある。
リニューアル版では無地になりました。
右側はバックル固定式の仕切り。
普通なバックル。
容量拡張時は長さ調節が必要です。
ポケットの開き具合。
小さくしか開かないので書類向き。
仕切りの中はXバンド。
Xバンドも普通なバックル。
中は何も無い。
生地は厚みがあり質が良い。
右側は容量拡張側なので、非拡張時は生地がたるんでいます。
拡張するとこのように広がります。
お土産の箱くらいは追加で入る。
左側は全面仕切り。
メッシュポケットが2つ。
ファスナーの引手は普通なデザイン。
ファスナーは2個のポケット共通。
仕切りのファスナー。
シリアルNo.を書いた金属製のタグ。
「A08818W」までは品番で、次の数字がシリアルだろう。
こちらも仕切りの中はXバンド。
中も同じで何も無い。
合わせ面のカバー上部。
カバー左側はマジックテープ固定。
メンテナンス用なので基本は外しません。
合わせ面のカバー下部。
縫製は全体的にとても綺麗。
カバー中央には大きなワッペン。
リニューアル版ではデザインが変わっています。
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内部のレビューは以上です。
両側にXバンドがあるのでしっかり圧縮できるのが良い点。
ポケットも大きめで使いやすい。
縫製等も綺麗で質が良い内装です。
11、内部をレビュー
トップハンドルとキャリーハンドルの固定部です。
上のバーがトップハンドル固定部。
幅広でリブもある補強材で良い。
ほぼ上面全体を補強できています。
下の黒い部材がキャリーハンドル固定部。
大きめの固定材で、ねじ止めも7点と立派。
厚めでリブもしっかりある。
しかし、下側が全く本体に付いていない。
この形状は何のために?と思ってしまう。
応力分散ができていないのでいまいちに見える。
コーナーパッドの固定部です。
本体に直接ビス止めで補強材は無し。
安い仕様です。
キャリーバーの固定部です。
大きく立派な部材ですが、形状にはやや合っていない。
固定はしっかりできているので問題無し。
キャスター固定部です。
補強材は無く本体に直接ねじ止めといまいち。
本体成型での補強もあまり無く、この価格帯にしてはいまいちに見える。
アジア・ラゲージにしては悪く残念。
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内部レビューは以上です。
キャスター部が弱そうで悪く見える。
各補強部材も専用ではなく汎用部材。
高級な仕様では無い。
正直、かなり期待外れな内部仕様だった
12、実際に荷物を入れてみた
※200匁のフェイスタオルを使用しています
前述しましたが、キャリーバーの凸が大きい。
この隙間を埋めないと容量がだいぶ少なくなる。
このように隙間を埋めるのが必須。
ここだけでフェイスタオルが6枚入りました。
(普通は3枚程度)
容量は普通。
200匁のフェイスタオルを入れてみた結果、メイン収納に55枚入りました。
一般的な機内持ち込みサイズだと55枚、大きい物で60枚程度なので55枚は普通。
容量拡張するとまだ15枚以上は入ります。
全体的に窮屈な収納感です。
大容量という感じは全くしない。
13、実際に転がして使ってみた感想
やはりキャスターが少しうるさめなのが気になる。
ハンドル等の使用感は良い。
やはり「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」としての静音性はやや劣る。
普通なら低い音だけなのですが、高い雑音がとても多い。
とはいえ、ちょっとだけなので十分使える静音性ではある。
キャリーハンドルのぐらつきも少しありますが、特にストレスは無い。
持ちやすくて握っていて気持ちが良い。
調節ボタンが誤作動することは無く、高さ調節も問題無し。
トップハンドルも掴みやすくて良い。
親指のかかりが良いので簡単に掴める。
どのスーツケースよりも指先で掴みやすいよう感じます。
その他、違和感や異音は無く問題無し。
重量は実測値3.17kgと普通。
機内持ち込みサイズとして標準的な重量。
ただ、この機能性にしては軽い方です。
容量拡張があると重たくなりがち。
軽量スーツケースではないので、軽さを求める人は止めておこう。
14、アジア・ラゲージ デカかるEdge 拡張タイプの検証・レビューまとめ
| 項目 | 評価 | コメント |
| 容量 | 〇 | 容量重視ではなく普通 |
| 重量 | 〇 | 実測値3.17kgと普通 |
| 包装 | 〇 | 専用の不織布のカバー |
| キャリーハンドル | 〇 | ぐらつきは普通。5段階調節 |
| トップハンドル | 〇 | 掴みやすく大きく膨らみ持ちやすい |
| ファスナー | ◎ | セキュリティファスナー。重ため |
| TSAロック | 〇 | ダイヤル式。007型 |
| キャスター | 〇 | HINOMOTO Lisof SILENT RUNだがうるさめ |
| 内装 | ◎ | 両面仕切り・両面Xバンド |
| 仕上げ | ◎ | 全体的にとても綺麗 |
良い点(Good)
- ✔HINOMOTO Lisof SILENT RUNで静音性は良い
- ✔ワンタッチ式のキャスターロック
- ✔トップハンドルが掴みやすい
- ✔約4cmの容量拡張機能を搭載
- ✔両面仕切りに両面Xバンド
- ✔大きいPC製コーナーパッドを搭載
悪い点(Bad)
- ✔HINOMOTO Lisof SILENT RUNだが少しうるさめ
- ✕キャリーバーの内部への出っ張りが大きい
- ✕キャスター部の補強材無し
悪い点が目立つ。
あまりおすすめはできないかな…
一番悪いのはキャリーバーの内部出っ張りが大きいこと。
これにより浅くなりトラベルポーチを入れにくい。
容量は普通ではありますが、その隙間を生かさないとだいぶ少なくなる。
本体形状も角を大きく落としているので容量は減る。
そしてこれもまたポーチ類を入れにくい。
全体的に狭いので荷物を入れていてストレスがあった。
キャスターもなぜかややうるさめで残念。
キャリーハンドルもややぐらつきが気になるので良くはない。
値段も実売価格2万円とそう安くはなく、品質がお値段以上とも思えない。
容量拡張が実測値5cmと大きいのは最大の良い点。
これは他社品にはそうそう無いので、拡張重視なら選ぶ価値がある。
そんな感じで中途半端なスーツケースに思える。
強くおすすめはできない。





















































































