MAIMO SPEED U plus レビュー!評判のスーツケースをプロが検証
「MAIMO SPEED U plus」をレビュー!
本体開閉がジッパータイプのMAIMO初のワンタッチフロントオープン。
「plus」は容量拡張機能付きです。
ワイドハンドルという変わった仕様もあり、面白そうなので買ってみた。
※結論的に、これはおすすめできない。
購入したのはSサイズ、カラーは「ディープブラック」です。
プロとして完璧にレビューしたい。
<これ>

・当サイト代表のスーツケースガチ勢
1、外装箱レビュー
MAIMOのデザインに合わせたダンボールデザイン。
「SPEED U」はフロントポケットの形でした。
日本企業らしく質も表記も問題無し。
上の図の反対面の側面下部の拡大。
LINE友達登録での延長保証システム有り。
2、包装レビュー
上蓋に発泡スチロールの固定材も有り、丁寧で良い梱包です。
底面には何も無し。
本体は専用の不織布カバーに入っています。
MAIMOロゴデザインの不織布カバー。
MAIMOシリーズほぼ共通仕様。
不織布カバーの下はビニールカバー。
ビニールカバーを外した状態。
正面と上面にラベル有り。
本体正面のラベル。
キャスターストッパーと交換方法の説明。
本体上面のラベル。
TSAロックの説明。
3、外観レビュー
ワイドハンドル&ワンタッチオープンで無駄の無いデザイン。
やや背が低く横長の形状です。
フロントポケットにジッパーが無いだけで、
だいぶデザインが良くなるのがスーツケース。
リブも無い平坦な表面がMAIMOらしくてまた良い。
塗装はマットで高級感もある。
カジュアルにもスーツにも似合うデザインです。
容量拡張機能があるため、
中央部のファスナーが大きいのはデザイン的マイナス点。
少し歪みもあって気になる。
寸法測定結果
| 高さ (cm) |
横 (cm) |
奥行 (cm) |
3辺 の和 |
|
| 表記 | 51.5 | 38.5 | 24.5 | 112.5 |
| 実測値 | 51.5 | 38.6 | 22.5 | 112.6 |
問題無く機内持ち込み可能。
3辺の和が112.6cmとかなり小さな機内持ち込みサイズ。
底鋲などもあるため本体サイズはかなり小さく、容量は少ない。
それでいてLCCサイズでも無く、軽くも無い。
スペックは悪いスーツケースです。
奥行が実測値は22.5cmとかなり小さかった。
ファスナーの縮みの影響か、こんなものなのかは不明。
4、ファスナー&TSAロックの操作感
TSAロックはダイヤル式。一つ前の「007」型。
TSAロックはごく普通なダイヤル仕様。
「TSA007」と書かれている部分を動かすと解除できます。
ロックもファスナーの引手を差し込むだけ。使用に問題無し。
レバーを外側に動かすとフロントポケットが開きます。
ここは後で紹介。
ファスナーの動きはスムーズで軽く問題無し。
5、キャリーハンドルの操作感
↑最大に伸ばした状態
↑最小の状態
ワイドハンドル仕様。高さは3段階調節。
ぐらつき(遊び)は小さめ。
尖っているため持ち心地が最悪。
安定性・走行性に優れるワイドハンドル。
スーツケースとしては珍しい仕様です。
良い点ばかりではなく悪い点も多いのであまり選ばれない。
<悪い点>
・キャリーオンバッグの装着がほぼ不可能
・部材が大きくなるので重たくなる
・トップハンドルを掴みにくい
転がしやすいのは良い点ですが、人を選ぶハンドルです。
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高さ調節は一般的な3段階。
いつも通り上にあるボタンを押しての上げ下げです。
高さ調節幅は均等。誤作動も無く操作性に問題無し。
ぐらつき(遊び)は小さめで良い。
ただ、本体の容量拡張部のぐらつきが大きいので、
全体的なぐらつき感は大きめ。
持ち手部が尖っているので持ち心地は最悪。
とにかく手が痛い。
立てて転がしても、斜めに引いて転がしても痛い。
これはさすがに悪い。こんなに痛いのは初めて。
とてもじゃないがこれは使えない。
本体形状に合わせたデザインにしているのが原因。
これ、持ちやすいと言う人いないだろと思う。
せっかくのワイドハンドルが台無し。
もうこの時点ではおすすめ度ゼロです。
固定部の変形
固定材へのねじ止め部が凹んでいる。
固定材が薄すぎるのか、ねじ締めのトルクが強すぎるのか、
ねじ固定部が大きく変形しています。
見た目も悪く、少しでも劣化すると割れそうでかなり心配。
これはおそらく設計ミス。
ねじ止めで変形してはいけない。
<キャリーハンドル操作動画>
使い方はごく普通。
荷物を詰めた状態ですが、本体のぐらつきが大きい。
そのためワイドハンドルの優位性はあまり感じない。
6、トップハンドルの持ち心地
幅広で薄めの樹脂ハンドル。
指を入れやすく、大きく膨れて持ちやすい。
MAIMOシリーズ共通のトップハンドルです。
クッションの無いシンプルな樹脂ハンドルですが、
幅広なので指に乗せると心地良い。
初期状態で本体との隙間も大きいので指も入れやすい。
サッと持てる良いトップハンドルです。
幅広なのでグっと強く握ると痛いのだけは悪い点。
7、キャスターの操作性・静音性
キャスターは「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」を搭載。
口径は約54mmとやや大きめ。
日本が誇るキャスターメーカー「日乃本錠前(HINOMOTO)」の超静音キャスターです。
これは本当に静かで操作性も耐久性も抜群。
口径は54mmと中サイズ。後述しますが後輪は足踏み式ストッパー搭載。
キャスター自体は静音なのですが、
TSAロック部のファスナーの引手が干渉してカラカラとうるさい。
ここは大きなマイナス点。
六角レンチにて交換も可能で、MAIMOシリーズのほぼ共通仕様です。
スペアキャスターも1個付いています。
<MAIMO SPEED U plus キャスター静音性確認動画>
いつもの静音性で問題無し。
<比較用(うるさい安物キャスター)>
安物キャスターと比べると圧倒的な静音性。
8、キャスターストッパー
↑解除状態
↑ロック状態
後輪に足踏み式のキャスターストッパーを搭載。
MAIMOシリーズのほぼ共通仕様です。
幅広のレバーなので足で踏みやすい。つま先で上げるのも簡単。
ロック性能も問題無く、足踏み式ながら使いやすい。
安物の小さなレバーは操作しにくくストレスなのですが、
MAIMOのこれならおすすめできる。
9、ドリンクホルダー
背面に収納式のドリンクホルダーを搭載。
ペットボトルはほぼ対応。コーヒーカップはやや難。
引っ張ると出てくるドリンクホルダーです。
最近のスーツケースによく搭載されています。
開け閉めは簡単で問題無し。
500mmのペットボトルはぴったり入る。
重さでたわむので傾きます。
他社品もだいたいこうなる。
650mmの大きなペットボトルは底が入らない。
ただ、特に問題は無く使えます。
セブンイレブンのRサイズのホットコーヒーカップを入れた図です。
蓋が引っかかりますが、ほぼぴったり置ける。
これはLサイズ。
綺麗に置ける。
セブンイレブンのRサイズのアイスコーヒーカップです。
太いので突っかかってしまう。これは危ない。
ローソンのSサイズのアイスコーヒーカップです。
同じく太いので入らずNG。
MサイズもNG。
メガサイズもNG。
スタバのトールサイズです。
綺麗に置けて問題無し。
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ペットボトルはほぼ対応。
コーヒーカップはホットコーヒーカップなら置ける感じです。
ドリンクホルダーの悪い点
本体内部に出っ張って荷物を入れにくくなる。
このタイプのドリンクホルダーは荷物を入れる容量が減ります。
内部に大きく部材が出っ張り、特にトラベルポーチを入れにくくなる。
せっかくのワイドハンドルでフラットにできるのに、ドリンクホルダーで台無し。
ワイドハンドルは「収納面がフラットで入れやすい」が一番の売りなので、
他社はドリンクホルダーは付けていない。
10、USBポート
Type-AとCのUSBポートを搭載
TSDAロック部にUSBポートがあります。
内部にモバイルバッテリーを繋げて充電することができる。
バッグだと重すぎる巨大なバッテリーも持ち運びできるので地味に便利。
内装部にモバイルバッテリーを入れるポケットがあります。
こちらのケーブルはType-Aのみ対応。
11、荷物をかけるフック
底鋲の上段が荷物をかけるフックになっている。
横置き用の底鋲の上段2個はフックにもなっています。
最近のスーツケースでは標準的な仕様です。
しかし、フックの位置が低すぎてレジ袋が地面に付く。
コンビニで貰える小さなレジ袋ですら地面に付いてしまう。
これだとほぼどんなレジ袋もかけられない。
荷物フックとしては最悪です。
ここも設計ミスと思える。
使い道がほとんど無い。
12、容量拡張機能
約8cmの容量拡張機能を搭載。
スーツケースとしては最大級
側面中央に容量拡張用のファスナーがあります。
これを広げると容量拡張ができる。
グルっと一周開けた状態。
この開いた幅の分、容量が増える仕組みです。
拡張部の生地も本体の色と合わせているので見た目が良い。
電車の連結のようになるので、ぐらぐらするのが容量拡張の悪い点です。
拡張した際はできるだけ荷物を満杯に入れてください。
拡張部の生地は厚くて丈夫。
拡張幅は測定すると約7cm。
商品ページとしては8cmでしたが、この部分の測定ではやや小さめだった。
しかしそれでも容量拡張としては最高クラス。
一般的には3~4cmなので、これは超巨大です。
MAIMOシリーズの拡張機能はどれも大きいのが良い点。
13、付属のラゲッジタグ
本体内にラゲッジタグが入っています。
これはケース。
中にこのようにバンドとタグが入っています。
なかなかデザインが良い。
裏面にメッセージカードがありました。
開発者さん、さすがにこのスーツケースはあかんで…
14、内装をレビュー
両面仕切り仕様。
Xバンドは無いので必ず仕切りを閉める必要がある。
ポケットが豊富な両面仕切り。
右下のポケットは防水仕様になっています。
止水ファスナーまで使用して本格的。
容量拡張は右側。
約8cmと大きく拡張するので、その分の生地が大きくたるんでいます。
見た目も悪く、いろいろと使いにくくなるのが難点。
写真で説明していきます。
ブラックで統一した内装デザイン。
右側はポケットが2つ。
MAIMOロゴ入りの引手。
ポケットの開き具合。
下段は防水仕様になっています。
濡れたもの、零れる恐れのあるものを入れるのに適しています。
仕切り開閉のファスナーはダブル仕様。
容量拡張部の生地に隠れてしまっているので掴みにくい。
容量拡張するとこのように生地が広がります。
この膨らんだ分荷物が入るようになる。
中は何も無い。
Xバンドが無いので仕切りは必ず閉めないといけない。
荷物を詰め込みにくいため、仕様としては悪い。
生地は厚めで質が良いです。
シワもほとんど目立たない。
仕切りの内側にキャスター交換用の六角レンチが入ったポケットがあります。
別に何を入れてもいい。
左側仕切りは1つの大きなポケット。
ファスナー等は右側と同じ仕様。
仕切り開閉のファスナー。
モバイルバッテリーを入れるポケットがあります。
USBポートの項目で説明済み。
左側はフロントポケット側なので浅く、荷物はあまり入りません。
下部の隙間は上手く埋めよう。
合わせ面のカバー上部。
カバーはマジックテープで外れます。
メンテナンス用なので基本的には外さない。
合わせ面のカバー下部。
縫製は全体的に綺麗。
MAIMOは作りは良いです。
--
内装のレビューは以上です。
Xバンドが無いため荷物を詰め込みにくい。
容量拡張した際は荷物の固定すらできない。
仕切りが閉まる分となると、容量はかなり少ないです。
あとやはり、ドリンクホルダーが邪魔。
これが無ければだいぶマシだった。
15、フロントポケットをレビュー
ワンタッチオープンタイプのフロントポケット。
レバーですぐ開くので便利!
これが「MAIMO SPEED U」の最大の売り。
最近増えてきたワンタッチで開くフロントポケット仕様です。
仕組みは他社品と同じ。
開き具合は30度ほど。調節はできません。
左右のファスナーを開けると全開しますが、開ける意味は無い。
パネルにあるこの金具を、
本体側の穴に入れて固定する仕様。
どちらも金属製なので問題無し。
本体側はノートPCやタブレットを入れるのに適したクッションポケット。
2個あります。
バンドはマジックテープで止められる。
ゴム製なので伸びます。
パネル側は薄いポケットが2つ。
下段のポケットはちょっと使いづらい。
13インチノートPCと11インチiPadを入れた図です。
14インチまで入ります。
ただ、この二つを入れると閉まらない。
クッションポケットが2つある意味はほとんど無い。
中は薄いので、2個のクッションポケットは邪魔になっているだけ。
1個にした方が良い。
13インチノートPCと雑誌ならギリギリ閉まった。
15インチノートPCサイズの木板を入れた図です。
これは入らなかった。
パネル側も無理。
他社品はここなら入ることが多いので、
「MAIMO SPEED U plus」は小さめのフロントポケットです。
A4クリアファイルと雑誌をパネル側に入れるとこんな感じ。
クリアファイルがほぼ限界のサイズ。
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フロントポケットのレビューは以上です。
奥行が小さいのであまり入れられないのが難点。
ノートPCを入れるとポケットはほとんど使えない。
容量重視ならおすすめできない。
ワンタッチで開くのは本当に便利。
操作性は問題ありません。
16、内部をレビュー
トップハンドルとキャリーハンドルの固定部です。
上のバーがトップハンドル固定部。
あまり幅が補強材ですが、特に問題は無い。
下の黒い部材がキャリーハンドル根本の部材固定部。
この4つのねじによって外の部材が変形しています。
プライヤーで掴んでねじ止めしているのか、傷だらけ。
固定も1面なので、あまり良いようには見えない。
ねじ部が出っ張っているので荷物を入れにくいのもダメ。
ワイドハンドルなのでキャリーバーは左右にあります。
キャリバーの固定部材です。
一つの大きな部材でしっかり固定できている。
しかし、荷物を入れるスペースを大きく潰しているのがダメ。
容量が少ない要因です。容量にこだわりが全く無いのがわかる。
キャスター固定部です。
補強材の上からねじ止めされていて良い。
本体形状にもだいたい合っていて、しっかり応力分散できています。
本体成型での補強は最低限。
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内部のレビューは以上です。
ワイドハンドルなので普通とは違った内部構造。
上のキャリーハンドル根本部材の固定だけが心配です。
ちゃんと補強はしているので、強度的には問題無いとは思う。
容量を無視した形状の部材なのは大きなマイナス点。
そら荷物入らんわと思う。
17、実際に荷物を入れてみた
容量はメチャクチャ少ない。
200匁のフェイスタオルをほぼ限界まで入れてみた結果、
メイン収納に36枚、フロントポケットに3枚、計39枚入りました。
一般的な機内持ち込みサイズだと55枚入るので、39枚は最低レベル。
ただ、容量拡張するとあと15枚以上は入ります。
少ない理由は、まず本体が小さいこと。
そして仕切りを閉めないといけないので、閉まる分だけしか入れられないこと。
次にフロントポケット部の浅さ、ドリンクホルダーと内部補強の出っ張り。
楯も横も奥も小さく、とてもじゃないがこれは使えないレベル。
いくら容量拡張が8cmあるとしても、基礎容量がこれでは台無しです。
機内持ち込みサイズとして容量が少なすぎるのは致命的。
18、実際に転がして使ってみた
キャスターは静かですが、ファスナーの引手の音がうるさい。
キャリーハンドルの持ち心地が悪すぎる。
いつもの「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」なので静音性は抜群。
ただ、TSAロック部のファスナーの引手が振動で動いて「カラカラ」と音がずっとする。
ここまでうるさいのはそうそうないレベル。
ゴムでカバーするなど対策は必須です。
キャリーハンドルは持ち心地が悪すぎて辛い。
今まで使ってきた中で一番悪い。二度と使いたくないレベル。
もうすぐ転がすのを止めた。
重量は実測値3.77kgと重たい。
機内持ち込みサイズとしてはかなり重ためになります。
ワンタッチフロントポケット&容量拡張なので仕方ない。
軽さを求める人は止めておこう。
19、MAIMO SPEED U plusの検証・レビューまとめ
| 項目 | 評価 | コメント |
| 容量 | × | 最低クラス |
| 重量 | × | 実測値3.77kgと重たい |
| 包装 | ◎ | 専用の不織布カバー |
| キャリーハンドル | × | 持ち心地最悪 |
| トップハンドル | 〇 | 大きく膨らみ持ちやすい |
| ファスナー | 〇 | 軽くてスムーズ |
| TSAロック | 〇 | ダイヤル式。007型 |
| キャスター | ◎ | HINOMOTO Lisof SILENT RUN |
| 内装 | × | 両面仕切り。荷物が入らない構造 |
| 仕上げ | 〇 | 縫製は綺麗 |
良い点(Good)
- ✔HINOMOTO Lisof SILENT RUNで静音性抜群
- ✔足踏み式のキャスターロック搭載
- ✔キャスター交換可能。スペア付属
- ✔キャリーがワイドハンドル仕様
- ✔トップハンドルが持ちやすい
- ✔ドリンクホルダー搭載
- ✔USBポート搭載
- ✔約8cmの容量拡張機能を搭載
- ✔ワンタッチ式のフロントポケット
悪い点(Bad)
- ✕容量がとても少ない
- ✕重量がとても重たい
- ✕ファスナーの引手が干渉してうるさい
- ✕キャリーハンドルの持ち心地が最悪
- ✕荷物フックの位置が低すぎる
- ✕Xバンド無し
- ✕荷物を詰められず本体のぐらつきが大きい
- ✕フロントポケットが浅く小さめ
- ✕ワイドハンドルなのにドリンクホルダー
これは買ってはいけない…
ある程度悪い点はわかっていましたが、
ワイドハンドルに期待して買ったのです。
しかし、そのワイドハンドルが最悪だった。
容量も想像以上の少なさ。
仕切りを閉めなければ50枚くらいいけそうですが、
そこまでして使うスーツケースは要らない。
その他もいろいろと悪い点が多すぎる。
いつも高評価なMAIMOがどうしてこうなったと思える出来栄え。
ワイドハンドルのMAIMOはおすすめできない。
普通のMAIMOは素晴らしいので、普通のMAIMOを買おう。





















































































































