エース フレットボード レビュー!評判のスーツケースをプロが検証


エース フレットボード
2024年発売のおしゃれデザイン系シリーズ。
定価は高いので避けていたのですが、
大幅なセールになりやすくコスパが良さそうなので買ってみた。
購入したのはLサイズ(品番:05434)、カラーは「アイボリー」です。
プロとして完璧にレビューしたい。
<これ>

・当サイト代表のスーツケースガチ勢
1、外装箱レビュー
いつものエースのダンボールデザイン。
Lサイズなので側面に押して開ければハンドルになる部分がある。
二重になっている厚く丈夫なダンボールで安心。
エースオンラインショップで購入したので、テープがそのデザインに。
エースの冊子を入れたりするので、店舗で一度は開けられます。
上面にある緑のやつは2万円以上のエースのスーツケース付属する「リサイクルチケット」。
どんなスーツケースでも送料負担で発送したらリサイクルしてくれるというもの。
お金がもったいないので使ったことがない…。
2、包装レビュー
蓋のように開く構造でカッターも安心。
4面で蓋をするので4重になり、固定材の役割も兼ねています。
ほぼエース共通仕様。
本体は不織布のカバー。
保管に便利。プレゼントとしてもいける。
サイドハンドルに付属のタグ。
商品仕様とTSAロックの説明。
当然ながら中国製(エース自社工場)。
3、外観レビュー
アイボリー本体とベージュのパーツのバランスがおしゃれ。
全体的には安っぽさはある。
このおしゃれ感がフレットボードの売り。
トップハンドルとサイドハンドルは本革を使用。
この価格帯での本革は珍しく、フレットボードの凄い点。
ただ、そこ以外はあまりお金をかけておらず高級感は無い。
どちらかというと安っぽい外観です。
ファスナーの歪みも大きい。色合いも揃っていない。
角のRは大きめで柔らかい雰囲気。
奥行が大きく太い形状で可愛いです。
表面のマット感も良い。
寸法測定結果
高さ (cm) |
横 (cm) |
奥行 (cm) |
3辺 の和 |
|
表記 | 70 | 53 | 34 | 157 |
実測値 | 70.3 | 52.2 | 34.0 | 156.5 |
寸法はほぼ商品スペック表通りで問題無し。
このサイズのフレットボードは高さが控え目で、横と奥行が大きい。
4、ファスナー&TSAロックの操作感
TSAロックはダイヤル式。一つ前の「007型」。
普通なダイヤル式です。
この部分の本体は柔らかいのでちょっと回しにくく、高級感は無い。
スライダーを差し込んでのロック・レバーでの解除はスムーズ。
高さもぴったり合っています。
ファスナーの動きは軽くてスムーズ。
普通の一重のタイプです。
5、キャリーハンドルの操作感
↑最大に伸ばした状態
↑最小状態
キャリーハンドルは4段階調節。
ぐらつき(遊び)は普通。
少し高いエースの標準仕様である4段階調節。
一般的には3段階なので良い仕様です。
ぐらつきはLサイズにしてはややあり、普通と評価。
持ち手部はサラサラとした素材。
小さめで子供や女性でも握りやすい。
しっかり握っても調節ボタンを押してしまうことは無く良い。
容量重視のためか、キャリーバーは細め。
そのためぐらつきが大きめなのかもしれない。
マットシルバー塗装で見た目はおしゃれで好き。
6、トップハンドルの持ち心地
本革を使ったトップハンドル!
指を入れやすく持ちやすいが、手の痛みは大きい…。
初期状態で中央部が膨らんでいるので指を入れやすい。
持つと大きく膨らむので指が本体に当たることもない。
このあたりは問題無い。
悪い点は端が薄く出っ張っているので、手が痛いこと。
個人的に持ち心地は最悪です。あまりにも痛い。
何かカバーを付けないと自分は使えません。
おしゃれだけど実用性としては最悪の部類になる。
これはダメだ。
エースさん、よくこんな形状でGOを出したなと思う。
自分は0点の評価です。
サイドハンドルも同じ仕様です。
7、キャスターの操作性・静音性
キャスターは「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」を搭載。
日本が誇るキャスターメーカー「日乃本錠前(HINOMOTO)」の超静音キャスターです。
これは本当に静かで操作性も耐久性も抜群。
スーツケースにおける最高級のキャスターと考えていい。
口径は50.0mmで標準的なサイズ。
静音性については下の動画を見てください。
<エース フレットボード キャスター静音性確認動画>
<比較用(うるさい安物キャスター)>
安物キャスターと比べると圧倒的な静音性。
もうこんなうるさいスーツケースは使えなくなります。
「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」は本当に素晴らしい。
2万円以上のエースにスーツケースにはほぼ搭載しています。
8、キャスターストッパー
↑解除状態
ワンタッチ式のキャスターストッパーを搭載。
背面にキャスターストッパー操作部があります。
レバーを上げるとロック。解除は上のボタンを押すだけ。
レバー動作は軽くてストレスが無い。
スーツケースにおける最高のキャスターストッパーと言えます。
<キャスターストッパー使い方説明動画>
このストッパーもHINOMOTO製で、「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」とセットになっています。
実績は十分あり信頼性抜群。自分も壊れたことが無い。
9、内装をレビュー
Xバンドが無い両面仕切り仕様。
マチのある大きなポケットが特徴的。
フレットボードの大きな特徴と言えるのはこの内装。
厚みのあるものを入れやすいポケットを3つ搭載。
エースのHaNTにも採用されているタイプです。
ただ、このポケットの分容量は減る。
とにかく詰め込みたい場合にはポケットが邪魔でデメリットとなる。
個別写真で説明していきます。
スーツケースとしては珍しい茶色の内装。
本体の雰囲気と合っていて良いと思います。
右側はマチのあるポケットが3つ。
何も入れていない状態でも膨らんでいます。
マチはこんな感じ。
引手は艶消し加工で落ち着いた雰囲気に。
ファスナーは軽くてスムーズに動きます。
ポケットは上半分が開きます。
立てた状態でも使いやすいのが良い点。
ポケットの全面は厚みがありクッション性があります。
この厚みにより形状を保てており、見た目が良い。
仕切りの中は何もない。
Xバンドが無いので仕切りを必ず閉める必要がある。
荷物を詰め込みにくいのが難点。
生地が厚いのでシワは少なくて良い。
左側の仕切りはメッシュポケットが2つ。
シンプルなACEタグ。
メッシュやファスナー部の固定方法等は普通で高級感は無い。
ファスナーの引手は右側と同じもの。
仕切りはこういったシワが目立った。
個人的に気になってしまう。
メッシュポケットは少ししか開かない。
書類などを入れるのに向いています。
こちらも仕切りの中は何も無い。
構造的に何も無いので生地は綺麗に貼られていて良い。
合わせ面のカバー上部です。
フレットボードはエースにしては縫製が雑に思える。
カバーは縫って固定&マジックテープ&接着剤。
マジックテープが壊れないようしっかり固定されています。
ここはメンテナンス用なので基本は開けません。
合わせ面のカバー下部。
縫製に高級感はありませんが、しっかり縫えてはいます。
--
内装のレビューは以上です。
大きなポケットがあることと、
クッション付きの厚みのある生地が良い点です。
茶色な内装も自分は好き。
Xバンドが無いので、仕切りを閉めて固定する必要がある点には注意。
固定するためには多めに入れて押さえないといけず、
そうなるとポケットにはあまり入らなくなる。
この仕様であればXバンドは欲しかったところです。
とはいえ、ポケットに何を入れようかと楽しくなる。
フレットボードの内装はなかなか良いと思います。
10、内部をレビュー
メンテナンスファスナーを開けた図です。
ポリエステル生地の裏面にウレタンのようなクッションが貼付。
これにより厚く柔らかい生地になっています。
スーツケースでたまに採用されており、珍しくはない。
上の黒いバーがトップハンドルの固定部&補強材です。
トップハンドルの固定材は最低限なもの。
この価格帯、Lサイズにしては良くない。
応力が集中してしまうので、本体上面へ偏った負荷がかかる。
黒いテープはねじ部の保護クッション。
外すと破れるので今回は外していません。
キャリーハンドルの固定部です。
(左側の黒いテープを少し剥がしています)
キャリーハンドル部の固定&補強材は普通なタイプ。
エースの2万円程度のスーツケースによく使われています。
本体形状に合わせてあり、厚みもあるので悪くは無い。
本体下部。中央の部材がキャリーバーの固定部です。
キャリーバー固定部も普通なタイプ。
バーをしっかり固定できていて、厚みもあるので悪くは無い。
保護テープの貼り方が雑ですが、2万円程度のエースはこんなものです。
キャスターの固定部です。
黒い被さっている部品が補強材。
簡易的な補強材でかつ、小さいのでいまいち。
本体形状にもやや合っていないので、強度は劣るだろう。
ケーブルはキャスターストッパーのワイヤーです。
中のワイヤーが上下することでロック・解除します。
サイドハンドルとTSAロックの固定部です。
上がTSAロック・下がサイドハンドル。
トップハンドルと同じ仕様。
最低限です。
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内部レビューは以上です。
EC限定モデルなど安めのエースと同等の内部構造。
ちゃんと補強はされていますが、高級品と比べるとだいぶ劣る。
フレットボードは安いエースのスーツケースとわかります。
このレベルの補強だと海外旅行では使いたくない。
国内旅行用途としておすすめします。
11、実際に荷物を詰めてみた結果
縦が小さく感じる。
奥行はあるので詰め込みやすい。
高さが70cmしかないので、シャツを並べて入れにくい。
いつもとちょっと違うなと個人的な感想。
その代わり深いのでたくさん詰められる。
100L近いLサイズは冬物の場合、
毎日全身を着替えるとしても一週間分は入る。
家族旅行の2泊3日は余裕です。
詰め込むのは仕切りの線までが理想。
ここを超えると膨らんでポケットが使えなくなる。
限界まで詰め込みにくいのがフレットボードの難点。
Xバンドが無いデメリットです。
仕切りの線まで入れて閉めるとちょうど良い感じに。
ポケットもマチいっぱいまで入れられます。
ポケットを使わないなら仕切りが閉まる限界まで入れていい。
しかしやはり、ポケットの分容量が減るのがフレットボードの悪い点。
荷物を入れると重量は約15kgになる。
これはLサイズのスーツケースの宿命です。
自分は持てますが、それでもずっと階段を持つのはきつい。
力が無い人はLサイズは止めたほうがいいです。
ポケットのサイズ感説明。
カバーの付きの11インチiPadは余裕で入る。
12、実際に転がして使ってみた感想
トップハンドルを持つと手が痛いです…
その15kgの状態でちょっと転がして出かけたのですが、
トップハンドルを持つのが痛すぎる。
これほんと、エースの開発者はちゃんと使ったのだろうか?
こんな痛いハンドルとてもOKは出せないと自分は思う。
キャスターは「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」なのでさすがに静か。
ただ、重量が重たいと音量は増えるので、Sサイズよりはうるさい。
安物のLサイズはひどいです。
キャリーハンドルの操作性等は問題無い。
キャスターストッパーもしっかり止まる。
変な音も違和感も無い。
ほんとトップハンドルだけが悪い。
荷物が空の状態での重量は4.60kg。
商品ページに記載の重量は4.2kgなのでこれはひどい。
自分は4.2kgだから買ったのです。
このスペックで4.2kgはおすすめできる!買わねば!と。
4.6kgも軽めではありますが、重量でおすすめできるものではない。
ちなみに、空の状態でもトップハンドルは痛い。
13、エース フレットボードの検証・レビューまとめ
項目 | 評価 | コメント |
容量 | ◎ | ほぼ限界サイズで深いので大容量 |
重量 | 〇 | 約4.6kgと軽め |
包装 | ◎ | 良いダンボール仕様&不織布カバー |
キャリーハンドル | 〇 | 4段階調節。ぐらつきは普通 |
トップハンドル | × | 指を入れやすい。持つと痛すぎる |
ファスナー | 〇 | 動きは軽い |
TSAロック | 〇 | 007型。問題無し |
キャスター | ◎ | HINOMOTO Lisof SILENT RUN |
内装 | 〇 | クッション付き生地。大きなポケット。Xバンド無し |
仕上げ | 〇 | 縫製が雑な部分はあるが全体的には綺麗 |
良い点(Good)
- ✔横長で深い形状なので大容量
- ✔重量が約4.6kgと軽い
- ✔4段階調節のキャリーハンドル
- ✔キャスターの静音性がとても良い
- ✔ワンタッチ式のキャスターロック
- ✔指を入れやすく持ちやすいトップハンドル
- ✔クッション付きの内装生地
- ✔約2cmのマチがある内装ポケット
悪い点(Bad)
- ✕トップハンドルを持つと手が痛すぎる
- ✕Xバンドが無い内装仕様
- ✕ファスナー部の歪みで本体がやや斜めに
- ✕本体上下左右にリブが無く、補強も最低限で強度は不安
フレットボードはあまりおすすめできない。
しかし、トップハンドルさえ気にしなければコスパは良い。
トップハンドルが痛いのが最悪。
今までで一番痛いトップハンドルです。
さすがにこれは万人にはおすすめできません。
(もちろん自分の手に合わないだけという可能性もある)
最低限な内部構造は期待外れ。
定価からフレットボードはもう少し良い仕様かと思っていました。
実際は安いエースの仕様で大きく値引きされる理由がよくわかった。
容量が多いのは間違いないですが、
xバンドが無いので詰め込みにくいのは悪い点。
仕切りを必ず閉めないといけないLサイズは個人的に好きではない。
キャスターとストッパーは最高に良いので、実用性は十分ある。
ただ、それはこの値段なら普通と言える。
フレットボードの優位性は無い。
あと、重量が詐欺的な点も大幅なマイナス点。
これが4.2kgだったら少しはおすすめできましたが、
4.6kgだとよくある重量でマイナス面をカバーできない。
直近にレビューした「HaNT ココント」はエースの愛を感じましたが、
フレッボードは愛を感じない。
全体的にプロらしさも無い。
その分、コスパはとても良い。
実売価格2万円程度ならかなりお買い得。
トップハンドルとか気にしない人にはおすすめできます。