スーツケースの選び方をプロが解説(サイズ・機能・メーカー等)
スーツケースの選び方!
同じように見えて全然違うのがスーツケース。
サイズ以外にも機能性の違いは多いです。
全体像を把握して購入してほしい。
選び方・重要な点を解説します。
1、スーツケースのサイズについて
サイズ一覧

おおよそ20L~150L程度の範囲である。
一番小さいのは「コインロッカーサイズ」と言われます。
次に「機内持ち込みサイズ」があり、ここまでが手荷物として持ち込める。
Lサイズまでは無料で預け入れでき、LLサイズは有料になることが多い。
LLサイズは新幹線も「特大荷物」となるので、利便性が悪いです。
また、大きいほど重たくなるため、女性が持つのは厳しくなる。
Lサイズ以上は持てないと考えていい。
それもあり、LLサイズはおすすめできません。
サイズの選び方
経験上、この使い分けになった。
家族旅行であれば迷わずLサイズ。
そんなに荷物が無くても、お土産などを入れると満杯になります。
できるだけ手荷物やバッグを軽くしたい。
Mサイズは子供が使うことがほとんどだった。
修学旅行の定番サイズで、習い事の遠征でも重宝。
夫婦での週末旅行用としてもちょうどいい。
Sサイズは一番使用頻度が高い。
出張時に機内持ち込みできるのは必須。
2泊3日は基本的にこれです。
機内持ち込みサイズについて

航空会社によって違うので要注意。
基本的にはJAL・ANAの100席以上に対応を「機内持ち込みサイズ」と言います。
JAL・ANAの100席以上に対応していればOKです。
100席未満は主に地方便などの小型機なので、その場合は諦めていい。
LCCはやや小さめ。LCC対応サイズを選ぼう。
Amazon等でよくみる謎の怪しいブランドは、
日本の航空会社の機内持ち込みサイズに合っていないことが多いので注意。
高さ55cm以内、3辺合計115cm以内を必ず確認ください。
海外は高さ56cmが多い。
商品ページでは「55cm」と書いてあっても、普通に56cmあったりします。
当サイトのレビューで寸法測定しているものを購入推奨。
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2、収納性について
途中で荷物を出し入れするかで選ぶ。
片面開きタイプは開けるのが簡単なので子供におすすめ。
スタンダードタイプの場合、機内等で中身を出すのはほぼ不可能です。
フロントポケットタイプであれば、そこに入れてある分は取り出せる。
電車でもちょっとPCを取り出したりできるので、かなり便利。
そのため、機内持ち込みサイズで選ぶ人が多い。
しかし、メインの容量が悪くなるのが難点。
重量も重たくなり値段も高くなるので、本当に必要な人だけ選びたい。
それぞれ説明します。
スタンダードタイプ
最も普通なスーツケースの仕様。
本体中央が開いて両開きになるタイプです。
開けるのに大きなスペースが必要になるので、狭いビジネスホテル等では邪魔。
そして力も要るので子供は扱いにくい。
両面に細かく整理できるのが良い点。
構造もシンプルなので軽くて安い。
ただ荷物を運ぶだけならスタンダードタイプでいい。
フロントポケットタイプ
どこでもノートPCやタブレット等の出し入れができる。
本体前面がポケットになっているタイプです。
おおよそノートPC用のポケットがあり、手前に書類なども入れられる。
ビジネス用途で特に人気が高い。
メイン収納の容量が減るのが悪い点。
そして構造も複雑になるため、重たく値段も高くなる。
ノートPC等を入れないなら無駄です。
・おすすめのフロントポケットスーツケース13選!(機内持ち込みサイズ・タイプ別)
片面開きタイプ
前面が蓋のように開くので、狭いスペースで荷物の出し入れができる。
2024年頃から人気急上昇のタイプです。
収納ボックスのように使えるため、電車の中でも楽に開けられる。
力も要らないので子供も使いやすい。
収納スペースが大きいので高さのある荷物を入れられる。
詰め込めるので容量も多い。お土産も入れやすい。
重ねて詰め込む形になるので、整理しにくいのが悪い点。
子供用のスーツケースなら片面開きがおすすめです。
3、ジッパーとフレームについて

軽くて安いジッパータイプが主流です。
フレームタイプは今はもう少ない。
ジッパータイプは開けにくいですが、軽くて安いのでおすすめ。
投げられてもジッパーなので壊れず、実は頑丈。
構造もシンプルなのでフレームタイプより壊れにくいです。
フレームタイプはよほど中身を守りたい場合以外は必要無い。
重たくて値段も高い。収納性も悪く、荷物を押し込んで閉められず苦労します。
そしてジッパータイプより衝撃に弱く不安。
フレームタイプはナイフ等で強引に開けられないため、
セキュリティ的に高いというメリットもあります。
海外旅行の場合は少しだけ安心。
レバー式なのでジッパータイプより開けやすいという良さもある。
基本的にはジッパータイプがおすすめです。
4、ロックについて
よほど安物でない限りTSロックが付いています。
(旧称「TSAロック」)
簡単に言うとアメリカの航空会社がマスターキーを持っていて、
自由に開け閉めできるロックシステム。
アメリカのテロ対策のために作られたものです。
(TSロックではない場合は係員が鍵を壊して開ける)
したがって、国内旅行しかしない人にはTSロックは必要無い。
しかし、今どきTSAロックではないスーツケースはかなり粗悪なので、
TSロック搭載品を選んでください。
ダイヤル式が主流で、鍵式は少ない。
どちらでもいけるタイプは一部のメーカーにある珍しいタイプ。
5、キャスターについて
シングルとダブルの違い
キャスターは性能差がかなり大きい。
良いやつは静音で動きも滑らかで耐久性も抜群。
安物はひどい騒音。
キャスターは「シングル」と「ダブル」がありますが、性能差はほぼありません。
「ダブル」の方が少し回転させやすいという程度です。
どちらでも大丈夫です。
「ダブル」はキャスターカバーを装着できる。
最近流行りのキャスターカバーはダブルキャスター専用。
これを付けたい人はダブルを選ぼう。
詳細は下の記事を見て下さい。
静音キャスターについて
HINOMOTO製の静音キャスター搭載品がおすすめ。
究極を求めるならフリクエンターを。
代表的な静音キャスターは「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」。
日本が誇るキャスターメーカー「日乃本錠前(HINOMOTO)」の超静音キャスターです。
これは本当に静かで操作性も耐久性も抜群。
各スーツケースメーカーが採用しています。
どのくらい静かなのか?については下記動画を見てください。
今のスーツケースは静音性に優れるものが多いため、
できるだけ静音なやつを選びたい。
静音キャスターの種類は下の記事を見てください。
サスペンション付きキャスターについて
サスペンション付きのキャスターは振動が小さくて快適。
最近はサスペンション付きが多くなってきました。
特に力を入れているのがサムソナイトで、性能は最高峰。
安物に多い前面バネ式はいまいちです。
キャリーハンドルを持つ手に伝わる振動が小さい。
サムソナイトは高級車を転がすような感じになる。
安物は気休め程度。あえて選ぶ必要は無い。
6、キャスターロック(ストッパー)について
できるだけキャスターストッパー搭載品を選びたい。
キャスターストッパーがあると電車やバスが楽になります。
スーツケースを横に倒す必要が無くなる。
坂道での行列待機中も楽々。あらゆる事故防止にも良い。
キャスターストッパーは2種類あり、ワンタッチタイプと足で踏むタイプ。
当然ながら便利でおすすめなのはワンタッチタイプです。
日本メーカー品の多くが採用しています。
安物は足で踏むタイプが多い。
これもピンキリあり、レバーが小さいタイプは踏みにくいのでおすすめできません。
MAIMOくらいの大きいやつなら問題無い。
ワンタッチ式のキャスターストッパー搭載品はほぼ日本メーカーです。
海外メーカーは少ない。
・HINOMOTO製の静音ダブルホイールキャスター&キャスターロックを採用しているスーツケースまとめ
7、キャリーハンドル・トップハンドルについて
キャリーハンドル
一番使う部位なので使い心地は超大事。
キャリーハンドルが悪ければ台無し。
ぐらぐらだとストレスが半端ない。走行性も悪いです。
できるだけ使い心地の良いものを選んでください。
高級品はおおよそ問題無い。
安物は実物や当サイトのレビューを要確認。
トップハンドル
指を入れにくかったり、手が痛いと最悪。
階段では絶対にトップハンドルを持つので、持ち心地は大事。
サッと持つことができ、手が痛くもならない、それが理想。
ただ、ここはだいたい問題無い。
クッション有り無しのタイプがありますが、ここは好み。
クッションが有ると安定性は悪くなりがちですが、とても快適。
無いと安定性が良く、精密な動作ができます。
ここは店舗で実物を触って確かめてみてください。
8、内装の種類について
大きくは両面に仕切りがあるタイプか、片面のみかで分かれる。
安物はほぼ片面仕切りです。
中級品からは両面仕切りが多くなる。
ただし、あえて容量重視で片面にしているメーカーもあります。
両面仕切りタイプはどちら面を下にして開けても荷物が落ちないので便利。
本体を立てた状態で開けて、ポケットから出すこともできる。
やらかしがちな子供にもおすすめできます。
また、ポケットが多く小分けして収納もしやすい。
難点は容量がやや少なくなること。仕切りの分入りません。
荷物を限界まで詰め込みにくい。
内装は価格により生地の質の差が出やすい。
安物は薄くてカサカサ、2万円くらいになると厚く質感が良いものが多い。
使い勝手としてはほぼ変わらないです。
個人的にはポケットの数と大きさが大事。
書類が入る大きなポケットがあるものが好きです。
9、本体の材質について

高級品はポリカーボネート(PC)を主に使っています。
ポリカーボネート(PC)は丈夫で軽い。
スーツケースに最も適している材質です。
硬度を上げるためにABS樹脂を少し混ぜていることもありますが、
基本はポリカーボネートが主体です。
ABS樹脂100%の本体はほぼ安物となる。
昔は主流でしたが、今となると重いだけ。
最もおすすめできない。
ポリプロピレン(PP)は安くて軽くて加工性も良いですが、
紫外線に弱いなど耐久性に難あり。
軽さを求める人が選びたい。
アルミニウム合金はとにかく頑丈さを求める人向け。
海外旅行をする人に使用者が多い印象です。
ドイツのメーカー「リモワ」が有名です。
その他、サムソナイトの「Curv」というポリプロピレン系の素材もあります。
とても軽く持ったらびっくりするほど。
それでいて割れにくいという素材なので人気です。
軽さを重視するならこれを選びたい。
10、メーカーについて
スーツケースの多くは日本メーカー製です。
あえて海外メーカー製を買う理由はあまり無い。
スーツケースは日本メーカーが豊富なので、できれば日本メーカー品を買いたい。
通販でよく見る怪しい中国メーカー製は安いですが品質が難点。
街中の店舗で売られているのはほぼ日本メーカー製です。
海外メーカーとしてはサムソナイトが圧倒的一番人気。
次にアメリカンツーリスター、LOJEL、リモワの順に思う。
デザインは良いですが、機能性は日本メーカーより劣る印象です。
日本メーカーとしては「エース」が最大手。
日本最強のブランド「プロテカ」は高級品です。
次にレジェンドウォーカーの「T&S」と「シフレ」が大きい。
最近は小さいメーカーも増えてきました。
コスパの良いスーツケースで勝負しており、おすすめできるものが多い。
詳しくはこちらの記事を見てください。
・5000円前後のおすすめスーツケースの話(激安・安物の選び方)
11、スーツケースの選び方まとめ
必要な大きさ・機能を決めてから、デザインで選ぶ。
バッグ等と同じでどうしてもデザインから選びがちですが、
スーツケースは機能性が大きく違うので、デザインは最後にしたい。
見た目だけで選ぶと粗悪品を掴まされます。
購入に関しては通販が安い。
店舗が最安値というのはほとんど見ません。
「50%OFF!」とセールになっていることが多いですが、スーツケースはそれが普通。
型落ち品は普通に半額になります。
元々定価を高くして半額で売るメーカーも…
スーツメーカーの公式ショップはほぼ楽天市場にあります。
そこのセール品やアウトレット品を見るのが一番。
メーカー公式通販にもアウトレット品などがあるので確認。
次にAmazonのタイムセール品。型落ち品の投げ売りに期待。
スーツケースはよくタイムセールになります。

















