無印良品のスーツケースをレビュー！評判のスーツケースをプロが検証

無印良品のスーツケースをレビュー！

正式名称は「バーを自由に調節できる ハードキャリーケース」。
正直、いまいちだったので買っていなかったのですが、
レビュー記事を作るために購入しました。もちろん最新型。

購入したのはSサイズ（36L）で、カラーは「黒」。
プロとして完璧にレビューしたい。

＜これ＞

【無印良品 公式】バーを自由に調節できる ハードキャリーケース（36L）

＜関連＞

・無印良品のスーツケースの良い点・悪い点の話

Reviewer：パルどう＠Expert
・当サイト代表のスーツケースガチ勢

１、外装箱レビュー

無印良品なだけにダンボールも悪くない。
質も良く汚れも傷も少ない状態で届きました。

ちなみに、楽天市場の無印良品公式ショップで買いました。

２、包装レビュー

カッターで傷が付かないように上蓋がある。
本体はビニール袋だけに包まれており最低限な仕様。
不織布等のカバーが無いのは残念。

ハンドルに付いているタグです。
店舗で展示されているものと同じ。

裏面。
中国製です。

３、外観レビュー

無印良品らしいシンプルなデザイン。

わりと昔からあるので、すぐに無印良品とわかるデザイン。
全面にリブがあるのが特徴で強度は良い。
その他は特に個性は無い万人向けデザインです。

表面はやや艶のあるマット加工。
細かいシボ加工で反射が柔らかい。
塗装ムラやパーツのズレ等もなく綺麗に仕上がっています。

高級感は無く、どちらかというと安物っぽい印象ではある。
まさに無印デザイン。

４、ファスナー＆TSAロックの操作感

TSAロックは鍵式。現時点一つ前の仕様の「007型」。

鍵式なので操作感はごく普通です。
スライダーを差し込んでのロックも、レバーでの解除もスムーズ。
高さもぴったり合っています。

ファスナーはYKKのセキュリティジッパー。

おそらくRCW（不正開閉防止ファスナー）です。
ジッパー部分が二重になっており、こじあけにくくなっています。
高級スーツケースによく採用されるタイプで、この価格帯では珍しい。

このタイプは動きが重たくなるのがデメリットなのですが、
無印良品のこれは比較的軽め。スムーズに動くのでストレスがありません。
ここは無印良品スーツケースで良いなと思う点です。

５、キャリーハンドルの操作感

↑最大に伸ばした状態

↑最小状態

高さを自由に調節できるキャリーハンドル。

商品名にもなっている無印良品スーツケース最大の売りです。
これは本当に自由で、ギアで固定するように細かく止まります。
ここは間違いなくスーツケースとしては最強の調節具合。

しかし、この状態でも固定されるのが問題。

キャリーハンドルの収納がとても大変です。
普通ならある程度まで下げれば押し込んで収納できるのですが、
無印良品の場合は最後まで調節ボタンを押して下げないといけない。

ようは、ハンドルを握ったまま収納できないのです。
指を挟んでしまうのでかなりストレス。
使い勝手はかなり悪いと感じます。

個人的には、キャリーハンドルはパッと収納できることが重要。
二度手間になる無印良品のキャリーハンドルは苦痛でしかない。
そのため、自分としては悪い評価になります。

キャリーバーのぐらつき（遊び）は小さめで操作性は良いです。
品質は悪くない。

６、トップハンドルの持ち心地

トップハンドルは大きく膨らむので持ちやすい。

軽い力で膨らむので、本体に指が当たらず快適。
見た目は薄く硬いハンドルですが、中央が膨らんでおり持ちやすい。
シンプルながら心地良いハンドルです。

サイドハンドルも同じ仕様です。

７、キャスターの操作性・静音性

静音性はそこそこ良いが、「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」よりやや劣る。

どのメーカーのキャスターかは公表されていないため不明。
形状や仕様からHINOMOTOではないと思う。
口径は50.5mmで普通。ホイールは太めです。

静音性は「HINOMOTO Lisof SILENT RUN」よりやや悪い。
下記の比較動画を見てください。

＜無印良品 静音性確認動画＞

＜比較用（HINOMOTO Lisof SILENT RUN）＞

＜アスファルトでの比較＞

十分な静音性ではありますが、ちょっと高音が目立つ。
ただ、ほとんどの人は問題無いと感じるだろう。
静音性を追求したい人には無印良品はおすすめできない。

＜比較用（うるさい安物キャスター）＞

安物と比べるとかなり静音です。

８、キャスターロック

ワンタッチボタン式のキャスターロックを搭載。

キャリーバーの付け根にON・OFFのボタンがあります。
黒い方を押すとロック、白い方が解除です。
押すのはやや固いので、しっかり押す意識が必要。

無印良品のキャスターロックはHINOMOTOとは違い、
「キャスター全体がロック」されます（一切回転しない）。
HINOMOTOはホイールだけロックされるという違いがある。
（なお、プロテカのマジックストップもホイールだけ）

そのため、ロック状態でぶつけた時が心配。壊れる可能性がある。
ここは個人的にはデメリットと感じました。
実際、何度も足をぶつけてしまった。

ロック性能は全く問題無い。

９、内装をレビュー

片面仕切りのシンプルな内装。
ポケットも一つのみと収納性は最低限です。

一般的なスーツケースの内装仕様。
約2万円のスーツケースとしては劣ります。

生地はリサイクルポリエステルを使用。
かなり厚みがありクッション性は最高です。
これ以上に厚い生地はそうそう無い。
貼付も綺麗にしてあり仕上げも良い。

写真で説明していきます。

色が統一されているのでデザイン性は良い。
生地もシワが少なくて美しい。

ごくごく普通なXバンド仕様。
バンドの質も普通で、固定も直接縫っているだけと最低限。

固定金具は板型の差し込み式。

生地が極厚なのがわかるだろう。
本体形状に合わせて貼られているのは良い点。

中央はキャスターロック用のワイヤー等があるので膨らんでいます。
この分の容量が減るのは仕方ない。

左側は全面仕切り。
一つの大きなメッシュポケット。

メッシュの質は普通。
中身が見えやすいタイプです。

ファスナーは汎用スライダーでかなり安っぽい。
このあたりにお金をかけていない。

仕切りの中は何もない。
仕切りの生地は薄くペラペラです。

こちらも貼り合わせはちゃんとしてあります。
ファスナーはメンテナンス用なので開けることは無い。

合わせ面のカバーはなんと接着剤固定。
この値段で接着剤は珍しい。安物の仕様で残念。

全体的に仕上げは良いですが、ところどころ糸の飛び出しがある。

－－

内装のレビューは以上です。

生地が厚くて良いこと以外は普通。
約2万円のスーツケースとしてはいまいち。
内装でコストダウンしている感じがします。

１０、内部をレビュー

トップハンドルとキャリーハンドルの付け根部です。
立派な成型品で補強されており優秀。
中央の四角いのはキャスターロック部です。

キャスター固定部とキャリーハンドルの根本です。
キャスター部はロック機構も含めた立派な補強材。
お金かけてるなと感じます。

キャリーハンドル固定の補強材もなかなかに成型が良い。
肉厚で幅広。軸に形状に合わせてほぼピッタリ。優秀です。
無印良品は設計力があると感じる。

内部は2万円のスーツケースとしては良い方です。
品質や耐久性はかなり信頼できる。

生地の裏側はクッション材が貼られています。
これにより厚くてふわふわな生地になっている。
他社のスーツケースだと、プラスワンとほぼ同じ仕様。

１１、実際に荷物を詰めてみた結果

横幅が大きいので広く感じる。

無印良品のスーツケースは高さを抑えて横幅を大きくしています。
底鋲も無いので機内持ち込みサイズとしては最大級の横幅。
奥行も24cmと深いので詰め込みやすい。

200匁のフェイスタオルをほぼ限界まで入れてみた結果、55枚入りました。
一般的なサイズだと50枚しか入らないので、55枚は大容量です。
この5枚の差はけっこう大きい。

記載容量は36Lですが、容量はメーカーの自己申告。
他社だと40Lと記載しているような大きさと考えていい。

１２、重量測定結果

実測値は3.02kgと表記より約100g重たかった。

このくらいの誤差はスーツケースでは普通なので悪くは無い。
ただ、2.9kgと3.0kgでは印象がだいぶ違う。
スタンダードタイプの機内持ち込みサイズで3.0kgは普通です。
とても軽量とは言えない。

１３、実際に転がして使ってみた感想

そこそこ静かで使えるスーツケースとは感じる。

キャスターの静音性はHINIMOTOよりやや劣るものの、
うるさいとは感じない十分な静音性です。
最近の安いレジェンドウォーカーの静音キャスターと同等。

気になるのはやはりキャリーハンドル。
簡単に収納できないのがストレス。
パッと収納してサッとトップハンドルを持つという動作ができない。
癖になっている動作ができないのは苦痛でしかない。

また、ギアのような固定方法なので、
中途半端にボタンを押すと「ガガガガガ！」と音が鳴るのも悪い点。
壊れそうで不安になる。

キャリーバーはぐらつきも小さく、トップハンドルも持ちやすいので、
ただ転がして使う分には全く問題無い。
変な音も違和感も無く、転がすだけなら快適。

キャスターロックの仕様など、無印良品の独自機能がいまいちに感じる。

１４、無印良品のスーツケースの検証・レビューまとめ

機能性は良いが使い勝手に難を感じる。

機能的は良いスーツケースです。
静音性も良く、キャスターロックもあり、自由調節キャリーハンドル。
しかしどれも中途半端で最高では無い。

キャリーハンドルの収納性の悪さは個人的には致命的。
慣れたらワンストップでいけそうですが、面倒なのには変わりない。
正直設計がおかしいと思う。超低い位置で固定は要らんだろう、と。

値段が安ければ有りなのですが、約2万円と高い。
そして無印良品は値引きがほとんど無いのが致命的。
時々10%OFFになるセールはありますが、それ以外は基本定価。
他社のスーツケースはセール等で実質20%～30%OFFで買えるので、
定価は高くてもお買い得なものが多い。

わざわざ無印良品のスーツケースを買うか？となる。
というのもあり、当サイトではおすすめしておりませんでした。
無印良品が好きな人が買うスーツケースと思っています。

品質は良いのでデザインやブランド目当てで買うのは全然良い。
コスパは良くないですが、悪いスーツケースではない

酷評なレビューとなってしまいましたが、詳しい人ならこうなるだろう。
次のリニューアルではこのあたりの改善を期待したい。

【無印良品 公式】バーを自由に調節できる ハードキャリーケース（36L）